なんか、わざわざ本を紹介するようなこともなさそうなので、セブンアンドアイのみんなの書店を消してきました。 というわけで最近というかここ数年読んだ本の感想。
・おまけのこ:畠中恵 「みんなで手を繋いで走っていけば、なんにも怖いものはない」
病弱坊ちゃんの妖怪探偵記4作目。 家鳴のアイドル度、上昇中。 このシリーズは表紙絵が毎回ツボです。可愛い。 兄やのねこっかわいがりが目立たなかったのが少々不満ですが、軽く読むのによい本だと思います。 短編数編のなかでは幼少坊ちゃんの話が好きかなぁ。 最後のほうの小さい子供がガキ大将を頭にわらわらと手を繋いでいっせいに走り抜けるところが良い。 大群の子供が全速力で走りながら、障害物を避けるためにいったん手を離してもすぐに繋ぎなおすという光景が、なんかしらん好きなんです。
・犯人に告ぐ:雫井 脩介 「ヤングマンと呼ばれていました」
誘拐事件の犯人をすんでのところで取り逃がしてトラウマになった刑事が、別の幼児殺害事件をなんとか解決しようとする話。 おもしろい、けど、なんかイマイチはまりきれなかった。 前作の「火の粉」がすごく面白かったので、それを期待して読んだせいかも? 主人公40代男性の髪型は肩より伸びたふわふわウェーブです。
・ルート225:藤野千夜 「お前今日、何回おねえちゃんって言ったよ。」
ある日家に帰ったら、両親のいないパラレルワールドになってたという話。 弟がなかなかに良く出来たかわいこちゃんです。 グーチョコランタンの緑色のヤツみたいに姉にまとわりついてます。 作者調べるために検索かけたら近々映画化するらしい。
・語り手の事情:酒見賢一 「少年のヴァージニティを奪うのはメイドかガヴァネスと相場が決まってるんだ」
少女の場合は執事か男家庭教師らしいですよ(笑) 不思議な館で起こる出来事をタイトルどおり、「語り手」が語っている話。 はじめから終わりまでエロスにつき要注意。官能小説とも言いがたいのでそれもまた注意。 本人が参加している出来事でも、「それは彼女の事情であって私のものではない」と、徹底して客観視しているのでいろいろ倒錯した嗜好が出てきてもいやらしくない。 主観が入っていない事実はただの出来事なんだなぁと妙に感心。 読み終わった後しばらく、誰の事情なのかを考えるのが(自分の中で)流行りました。 後宮小説(アニメ雲のように風のようにの原作)の作者の人です。
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