たそがれて。

この間、藤沢周平の「たそがれ清兵衛」を読み返したら
無性に映画が観たくなり
DVDを買うか買うまいか迷っていたところ
折良くテレビで放映されることがわかり早速録画。

で、本日それを観ました。

うーむ・・・映画に見合うように原作をいじるというのは
よく聞く話だけれどこの映画は
原作をまったく無視して作られている。

基本的な
『下城の太鼓を聞くと同僚からの飲みの誘いも断り
そそくさと家路を急ぐ。そこから付いたあだ名が
「たそがれ清兵衛」』という設定は合っている。
というか、合っているのはそこだけで
他の人間関係の設定は全て別物。
ラストに至っては同じ短編集に収録されている
他の話のエピソードで締めくくられている。

なんだかな〜。

本編を読んだばかりでその情景を思い浮かべていた私としては
まったく当てがはずれてしまった。
これから観る方、読む方がいらっしゃるかもしれないので
詳細は省くけれど「それでいいのか?」感はいなめない。

確かにあの原作を2時間の映画にするには
話が短すぎる感はある。
まったく別物の話になっている映画ですら
間延びするシーンが散見できたので原作を忠実に映画化したら
もっと大変なことになっていたかもしれない。

でも、ファンとしては納得できないな〜。

まあ、原作のことを考えずに映画単体として見れば
話もそこそこの出来ではないかと思えるけれど
藤沢周平っぽさは微塵も感じられなかったな〜。
よどんだ暗さの中に光明にも似た
くっきりとした線で描かれた人物像が織りなす
緻密な物語が藤沢周平の持ち味だと思うんだけど・・・。

とりあえず山田洋次監督の殺陣の見せ方はイマイチでした。
セットは良かったんだけどね。

DVDは・・・買わなくていいかな?
録画したものを保存しとく程度の作品だと思われまする。



↓過去日記(別名「恥さらし」ともいう(笑))もついでにどーぞ♪
2003年03月07日(金) 仕事三昧。
2004年03月07日(日)

幾瀬の星の煌めき / やまぴぃ

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