どこか遠くへ。 |
一直線に山へと延びていく高速道をさらに北上していくと その道は麓近くで大きく迂回する。 最初はフロントで徐々に大きくなり やがて道が大きく曲がり始めたら 山を左手に観ながら走るようになり やがてその山はバックミラーごしに遠ざかっていく風景に変わる。
山の名は岩手山。
岩手山は見る方向によってその姿を大きく変える。 富士山ほど高い山ではないがその雄大な姿は 見ていて気持ちがいい。
道はちょうど山を半周するかたちで麓を走り そのまま盛岡方面へと抜けていく。
以前帰郷する時、深夜に東北道を走っていたことがあった。 岩手山にさしかかったのはちょうど暁光が差してくる頃。 その雄大な山肌に明け始めたばかりの朝日を浴びたその姿は 赤みを帯びた金色に輝き まるで幻想世界に出てくる風景のようだった。
あの姿を見たくて帰郷する時は 岩手山に陽が当たる頃を狙って家を出ているのだが 後にも先のも見れたのはその一回だけだ。
こういうのも「一期一会」というのだろうか。
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2003年09月08日(月)
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