あお日記

2002年10月29日(火) 白衣の天使?


 入院はたったの2週間だったが、高校卒業からここへ来るまでの間はとても時間に追われて生活していたので、入院生活の大半は眠っていたに関わらずとても長く感じた。1週間も過ぎると病院のリズムに合わせていた生活も狂い始めた。昼間の睡眠のおかげで当然のように夜眠れないようになった。

 消灯は午後9時。それを過ぎるとナースがやってきて強制的に明かりを消していく。あの日はナースのBさんがやってきて、一言二言の世間話をするとスイッチを消していった。

 その日は特に眠れず、何もない病室の天井をただ眺めては寝返りを打った。あまりに眠れないので水分補給に立ってそのままベッドに腰掛けていた。すると夜の巡回で部屋のドアを開けたBさんと暗がりの中で目を合わせた。彼女はとてもスリムだが痩せ過ぎという訳でもなく、ただ胸は小さかったらしい(笑)。年は20代後半だったか、当時の私からすればとても大人な彼女は特に美人という訳でもなく外見に派手さもないが、何か艶めかしい話し方をする人で、その気さくな人柄に好感を持っていた。

 そんなBさんに誘われてナースステーションへ行ったのが午前2時頃だった。お茶をごちそうになりながら世間話をしていた。するとひょんなことから話題が女性の体のことや恋愛のことになっていった。そういったことに慣れていない私はだんだんうつむき気味になっていった。それに気付いた彼女は目を細めて楽しそうに微笑んでから「こういう話、苦手なんでしょ?」と言った。苦笑いを浮かべた私に彼女は少しの間を置いてから付け足した。
「かわいいわね。新鮮だわ。」

語尾が恥ずかしげにひとり言と化したその言葉のおかげで、結局私は病室に戻っても朝まで眠れないのだった(笑)。



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