危険域。 Master:(c)夏目

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2006年04月16日(日) ■
全てを知り尽くして静かに微笑むは、闇夜の凍る月





 遅番でっした〜。
 日曜日に入るのは久しぶりのような気がする…。
 やることある日の日曜日は好きですね。本当に何もない日は途方に暮れますけど。
 昨日は中締めだったので閉店清算で、売上が100万超えたそうです。児童書もそれなりに売ってたけど…別に100万じゃなくてもこれくらいの数字出る日あるよなって具合で、ひとりで若干落ち込んでました。
 今日も今日で忙しかったですね、滅茶苦茶。ゼロスタートで70万超えたので、普通の日だったらきっと90万近いんでしょうか。うは。
 でもやっぱり児童書は(ry
 前年比は上がっているんですけど、このままだと予算が厳しいな。130行くには行くだろうけど、先月のようには行かないかも。っつか、茅ヶ崎に勝てないよこれじゃ確実に。大問題だ。
 売れ筋っつったってよしあしなんてわからないから、取り敢えず自分の好きなもの売るしかなくて…売れていても夏目が嫌いなものはあんまし入れない。キャラもの嫌い。ポケモンとかムシキングとかマジいらない。
 特にムシキング関連でムシものいっぱい入ってきて、触りたくない…(虫嫌い)最近発売されたムシ関係の本の表紙はほとんどがクワガタとかカブトムシとかだから、ホント、泣きたい(大嫌い)
 なので、新刊入ってきてもしばらくすると容赦なく返品。その代わり大して売れてないのに長期間平積んであるものもあったり(笑)店長に嫌味ゆわれたって夏目はそれが好きなんだもん。
 店長が勝手に仕入れて大量にあるやつとかもあるんだけど、返させてくれないから埃かぶっていたりする……売れないんですけども!四ヶ月長期って本と何それ。ばか。


 入園入学フェアが15日で終了したので、福音館フェアメイン展開〜。
 がんばってつくったYネコ、Dイヌ、Kキツネ、Aウサギをぼんぼんとはっつけました。うはははは。まんま種キャラでいっそ笑える。アニメ見たことあるひとなら絶対気づく(笑)特にキラ君なんて着せてる服まんまだし。黒に赤いベルト〜。
 結構デカいんですけど(30センチくらい?)、一体一時間かからないくらいでできる。ちょちょい。ディアの髪に時間食ったかなー。オールバックの流れる金髪なんて……絵で書くのも難しいのにね。反対にキラ君が一番簡単でした。

 「今回もがんばるね〜。何、あれ、オリジナル?」

 とか言っちゃう店長は、本当に本屋さん?って感じですねー。
 コミック担当のトオルさんなんて「もしかしてさ…」ってすぐ気づいたよ。うふ。
 あー楽しい。これでオタッキーな方々が集まってくれるといいなあ。でも別に児童書の売上には繋がらないのかもしかして……今度はアニマルにしないでちゃんと作って文庫のところに貼らせてもらおうかしら。
 作ってるのは楽しいんだけど、お店に飾るとお嫁に行かせちゃう気持ちでちょっと切ないの。でも家に置いておいても仕方ないんだけどね…フェア期間終わればゴミ箱なんだけどね……でも毎回、周囲曰く「凝ったもの」つくるんです。
 生きがいなんだも。
 そんくらいないとさー店なんてつまんなくって。
 毎日売上気にしているだけなんて悲しすぎるじゃない。



 27歳ヤマモト(女)がね、今日もおかしかったです。
 金曜日に店に顔出したときは、シモトリ(妹)さんが困った顔しながらせっせと紙袋の仕分けしていたので声をかけてみました。

 夏目「何してるんですか?」
 シモ「これ、ヤマモトさんが…台紙入れないでごっちゃ混ぜにしまっちゃったんですよー(泣」
 夏目「……全部ですか」
 シモ「あそこに入っているのも全部です」
 夏目「うわー…」

 って。
 うちの店の紙袋は、本体(紙)と、底敷きの厚紙が別個にきます。レジの子がそれを中に入れて、所定の場所にしまっておくんですけど、ヤマモトさんが多分それを知らずにごっちゃごちゃに入れてしまったみたいで、すでに入れてあるやつと混ざって計三百枚分くらいを、シモトリさんがひとりでせっせと仕分けてました。
 お、お疲れ様です…って感じだったんですけども。
 今日は今日とて、レジが忙しい最中、終業時間ぴったりに上がるという暴挙(咎める権利はないけども…)に出た彼女は、事務所の鍵を持って裏へと消えていきました。
 っつかこれだけ混んでたら普通、一段落つくくらいまでやって行くだろ…!とか思いながらも、笑顔で接客。夏目は「礼儀正しく丁寧に」をモットーにしております。
 店長すらヘルプに入っている中、ヤマモト、戻ってきました。
 なんだ何しに来たんだって思ったのですが、客が列を成しているのであくまで笑顔。おほほ。
 あろうことか彼女、接客真っ最中の店長に声をかける。コラ待てお前、状況を見てからしろよ…と思ったのは言うまでもなく。
 何を話しているか聞こえなかったんですけど、店長が嫌そうな顔しているのはわかる。そりゃそうです、お客さん相手にしているんですから。そして店長。

 「夏目さんに聞いて!!」

 と怒鳴る。

          え。

 となる夏目。
 ワタクシめもレジ入っているんですけども…いやね、確かにふたりでひとつのレジをやってはいるけども……けども…。
 結局、レジをひとりに任せて「なんですか」と。

 ヤマ「朝、タイムカードを捺し忘れちゃったんですけどお」
 夏目「はあ…そのままにしておけば忘れたころに店長が「ヤマモトさんさあ、これ、なんで捺してないの?」とか言いにきますし、今言っておけば後で適当に書いてくれますよ」
 ヤマ「あ、それは聞いたんですけど」
 夏目「はあ…(じゃあ何が聞きたいんだよ)」
 ヤマ「帰りは捺さない方がいいんでしょうか?」

 夏目「 今 日 分 の 給 料 が 要 ら な い な ら 捺 さ な い 方 が い い ん じ ゃ な い で す か 」

 いや、だって。聞かないだろ普通そんなの。
 そしてそんなどうでもいいことを聞かされるために忙しい最中、レジをひとりに任せちゃったっていうのが…ね。
 確かに店長も夏目に任せたくなるだろうよ。忙しいっつーのに下らんこと聞くな!って思うわな。


 さらにヤマモトネタ。(嫌いじゃないの、鬱陶しいのv)
 ええ、27歳ヤマモト(女)は今年で28歳だそうです。
 当店女性陣の中では最高齢でございます。

 本日、ヤマモト母来店。菓子折り持ってご挨拶にやってきました。

 アルバイト先に!
 母親が!
 菓子折り持って!
 挨拶に来るか!
 28歳にもなる娘のために!
 阿呆かお前ら!!
 そんな突込みを思わず口に出しましたらば、店長が「だよなー俺も困ったもん」と。
 いや、困る困らないっていうか、過保護すぎっていうか。親離れ子離れできてない……。
 夏目、身内にそんなことされたら飛び蹴り食らわして店外へ出します。(親にそう言ったら「マジでやりそうだ」と言われた…やるよ)
 しかも持ってきた菓子折り、中身9個しか入ってないおまんじゅう…!
 うちの店、14人で回してるんですけども…9人って。どんだけ忙しいんだよみんな。月に休み一日とかになっちゃうよ。14人でも週に一日二日な具合だけどさ。

 いやはや、礼儀正しくとも常識知らずって感じですか…。
 来ないでしょ。こないだろ普通。就職したってこないよ。アルバイトならなおさらだよ。何がしたいんだよ。
 夏目母曰く、

 「他のバイト先でも同じように使えないっぷりを発揮しててクビにされまくったから、ゴアイサツに来たんじゃないの。“うちの娘をよろしく”って」

 そんなんされたら恥ずかしくて店に来られんわ。




 明日はガッコ。
 一コマからありますですよー。
 きゅわー。
 その後、ラストまでバイト。
 ガッコ→バイト→家→ガッコ→バイト→家……エンドレスー。
 改めて考えるとぞっとしない…。ひぃ。


 5月の16日に講談社のKさんがお店に来るので、それまでにフロアをどうにかしないと……時間ないよ!ばか!!
 担当者会議も5月末だって…平日昼間だったら絶対に出られないんだけども。休めってか。

 あーっつか、フェア報告書書かなきゃじゃーん。
 面倒だ。面倒すぎる。スリップも溜まってるし…。
 「本業学生」の身分が既に夏目にはないような気がする。
 うちの店の学生達は滅茶苦茶「学生」やってるのに。
 なんでだ…何が違うの夏目と。
 今年は学生メインでやるぜ!って言っていたはずなのに、すでにバイト中心の思考回路…。
 あ、明日は新刊配本○冊だ…みたいな。
 今日の売上が××円だったから、前年比が…とか。
 今週中にあれして、今月中にこれして、あ、店長の許可もらわんとー…とか。
 お、おかしい……!
 店をおろそかにするはずだったのに!最近サボってたのに!
 一回行くともう駄目なのか……。
 げんなりだよ。




 ではでは。
 本日はこれにて失礼。










 





 書きかけの小説。涙の痕。伸びたインク。見えない先。
 空白の原稿用紙の枠。躊躇いのにじみ。明日また、その先は?
 茜雲。青空。白い日。透明な風。踏みしめろ、大地。
 さ迷える僕。迷走する。見えないものを見ようとしすぎて、手元さえ見えなくなった。暗い?
 泳ぎ疲れた魚。飛び疲れた鳥。歩き疲れた、僕。先が見えない。
 にじんだインク。空白の枠。止まった言葉。歩かない。僕は迷走する。
 明日が明日のままなら今日の意味なんてないんだってことくらい知っているのサ。
 僕は歩き続ける。今日も、明日も、見えない先も。

  05.08.12//





 [ 凍月 ]


 回る車輪。落ちる風。過ぎゆく太陽。凍る月。
 高みへ伸ばした手さえ行き先を見失い、助けを喚ぶ声さえ飲み込まれて消える。
 ひとつ輝ける星すら降り注ぎ闇に染まる。
 組み込まれた遺伝子システムはどうやら正常に機能しているようだ。
 見知らぬ人間が不幸を笑う。

 孤独を愛し孤独を歌い孤独を生むもの、即ち僕。
 悲劇に浸り悲劇に酔いしれ悲劇を喚ぶもの、即ち君。
 希望という名の絶望に包まれ前にも後にも動けない。立ち往生すらできずに翻弄されるさそうさ時間は常に動いているのだから。
 燃え盛る太陽は全ての象徴。永遠なんてないだろう。

 喜色満面、君は何に喜ぶ。僕は君の笑顔に喜ぼう。
 悲劇を好む君すら飲み込み、世の中は成るように成っているのだ。僕すら車輪に巻き込まれ。
 落ちゆく風は運命と名付けられたシナリオ通りに僕らを運ぶ。
 逃れることなどできないさ。時間基軸に囚われた哀れな僕ら。



 全てを知り尽くして静かに微笑むは、闇夜の凍る月――――。


  06.04.16//


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