危険域。 Master:(c)夏目

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2004年08月04日(水) ■
 帰還報告

 
 
 
 生きて帰ってきました。
 体力的に限界。
 肉体的に満身創痍。
 体中が軋む軋む。
 辛いッス…。
 
 
 
 雨が降るとのことでしたが、結局は降らずじまい。
 からなり涼しい初日でしたので、楽には楽でした。
 ただそれは体力的に例年より楽だったというだけの話。
 肉体的疲労度は毎年変らず辛いのです。
 普段働かないのがいけないんですねえ。
 まず途中まで大型のバスで行って、長い下り坂の手前から歩くようになるのですが、一泊二日のキャンプだというのに一週間は過ごせるんじゃないかしら? っていう大荷物を抱える女の子達が多い多い。特に下級生。
 仕方がないのでそういう荷物は全て我々、職員・アルバイト・OG・OBが持って歩きます。途中で様子を見ながら重くてのろのろ歩いているこの荷物も奪う。
 そして、学童保育から学童保育の車で行っているグループもあり(人数の関係・キャンプ用具の搬送)、歩いている途中で追い抜いて行くのでその車を止めて中に荷物をぶち込む。次々に入れる。
 そしてキャンプ場についたら、誰のを持っているなんて覚えてないですからね、荷物を掲げて「誰のー」と叫ぶ。
 荷物が配り終わったら次は職員・アルバイト・OG・OBの自己紹介。
 実は夏目の通っていた学童保育は支店もありまして、そちらのほうからも合同で来るんですね。だから自己紹介が必要なんです。

 「19回行われてきたキャンプ云々」

 と副社長が言っているのを聞いてなんとなく感心。
 そして自分の自己紹介。

 「12回目のキャンプです。わからないことは未だにありますが、なんでも聞いて下さい」
 
 頓に思うのですが、今年で18歳を迎える夏目の12回目のキャンプ。ということは12年目ということで、人生の3分の1をキャンプに…。
 そして兄は13回目。ダントツ1位の参加数です。
 何しろ、社長副社長の次に古いので…あはん。そしてその次が夏目です。
 なんか、人生を学童保育とともに歩んでいる気がするのですが(気のせいじゃない
 自己紹介が終わりましたら、各ロッジへそれぞれ移動し、中で昼食。
 ここで重要なのが、職員・アルバイト・OG・OBの寝床の確保。子供達は自分のことしか考えないので、放っておくと自分達の陣地を作り上げて他者立ち入り厳禁にしてしまう。それをされると、夏目達は寝場所がなくなるので必死。
 それでも、やはりチビちゃんズをメインに考えなければいけないので、夏目達は“ひざを抱えて座れる程度”のスペースさえ確保できればいい。毎年それくらいのスペースで寝る。ってか寝れるわけがないので明け方まで起きていて、チビちゃんずが起きはじめた辺りでさらに場所を確保して寝る。
 そして今年は全てのスペースを取られてしまったので、取り敢えず寝場所確保を諦めた…。
 
 危惧していた川遊びは普通に。
 水温・気温共に低かったですが、ガキ共は気にした様子もなく飛び込む飛び込む。
 男性職員(一部)・アルバイト・OG・OBは必ず引き摺り落とされる。
 斯く言う夏目は引き摺るのに加担する立場。

 「落とせ落とせ!」

 唆す場合もあれば、

 「よっこいせ」

 後ろから蹴り落とす場合もある。
 しかしこんなことをやっているから、周囲から落とされそうになるのも当たり前。背後の気配に集中しながらの悪巧み。
 まあ夏目らが川の傍にいる理由は、子供達の監視なんですがね。率先してそんなんやってるのが、監視役達ですよ。反面教師的な…。
 そしてその後、スイカを食す。
 別段スイカ割りなんてしません。
 普通に切る。
 そして兄が一言。

 「これ、殴っていいかな」

 そして副社長がいないか確認してから、拳をめり込ませる。
 それを知らずに食べたみっちゃん(三橋先生・男)の感想。

 「…なんかこれだけ、不味くねえ?」

 お兄ちゃんのせいです(微笑


 そしてスイカを食べ終わったら、歩いて30分ほど先にある滝まで散歩。スケジュールには毎年、「滝修行」と書かれている。その通りの悪所を越えていくので、かなり修行になるかと。
 岩場も険しいし、滑るし、川の中突き進むし、段差のない岸壁登るし。
 チビちゃんズは強制参加。
 根性を鍛え直しなさい。
 最近の低学年は根性がなくていけないわ。
 
 その滝修行の間、夏目達は夕飯作りをしているのです。
 教員は半分くらいに分けられて、滝組と残り組とで適当に振り分けられます。夏目はここ数年、自主残り組。滝までいく体力ない…疲れるから嫌。
 キャベツ洗って切って、肉切って、お米洗って炊いて、火おこししてと何やら色々毎年同じ作業を繰り返す。でも毎年同じだとてこの作業、実はかなり大変なんです。
 煙に燻されながら肉やら焼くわけですから。
 
 「目が痛ーい」

 大泣きしながらも逃げるわけにもいかないので、目を開けて耐え忍びながらフライ返しを華麗に操る(何
 かなりハードです。
 とてつもないほど。
 この作業だけは何度やっても…慣れないですね。
 辛いですー。


 夕飯が終わると後片付けに入るのですが、チビちゃんズはお部屋で諸々自由時間(いつも自由時間だけど
 洗い物は数があるだけで大して大変なわけでもない。
 そして洗い物が終わると、次は花火。
 手持ち用はチビちゃんズに、打上、噴出、特殊系は職員以下卒業生達に。
 夏目は噴出花火に携わりまして、マジかに火の粉をかぶってました。熱いッス。
 花火が終わると再びお部屋にチビちゃんズを移動させ、ゴミの片付け。

 そして怪談をするために先生達が各ロッジを練り歩く。
 その間、怪談話を任せられなかった先生(担当制)、一部の卒業生は肝試しの準備をはじめる。
 かなり暗がりを歩かせるのですが、夏目でさえ歩くのが嫌なコースなのですが、まあ参加するつもりはなかったので…景品係をそれとなくゲット。
 その他、誘導、脅かし役と分かれるのですが、大抵皆は脅かし役をやりたがりますね。
 実はスタート地点で「今年どうする」の話をしているとき、ふっと視線を外に向けたらナマを見てしまったので、夏目はやりませんでした。虫刺されなども多い役割だったので、元からやりつもりはなかったんですが更に萎え。
 男の人でしたー何やら顔面半分崩れてまして、スタート地点が橋の先端なのでそれを渡って進むんですが、その下の岩場辺りだってので…まあ、推測ですが自殺かなあと。
 しかしそんなん周囲に言っても信じてもらえんかったり痛い子だと思われるのがオチなので(皆そんなん信じない奴らばっか)、黙ってました。
 別に悪い感じはしなかったし。
 ずっといたけどね(汗;
 そして今年の肝試しは何事もなく無事終わりました。
 去年は一本道なのに道を脱線してしまったチビガキがいて大騒ぎになり、ちょっとした怪談まがいの出来事まであっちゃったりしたので、いやはやよかったです。


 そしてチビちゃんズは肝試しが終わると就寝です。すでに23時ですからね、この頃には。普通の学童保育とかって21時就寝とかですよね、小学生ですから。その辺り、うちのところは他とは違うんです…これがいいのか悪いのかわからないけど、ギリギリまで遊んで疲れきって眠ってくれると助かります。まあ、眠ってないのもいますがね。
 このとき、来た当初に取れなかった寝床を確保しました。
 チビちゃんズを綺麗に並べて寝かせつけ、隅においてあるソファから荷物を退かしてその部屋担当の職員以下卒業生の寝床を作りました…否、本当に座るスペースだけ。
 寝かせつけたら職員以下卒業生は打上です。
 飲み会です。無論、未成年アルコオル厳禁です。
 というのは体面上ですが。呑んでますよ男共。
 例年ならば社長副社長が同席しているのですが、去年辺りからそれがない。いい年ですし、疲れているんでしょうねぇ。
 そしてはじまる無礼講。
 女性陣は地面にゴミ袋敷いて気ままに色んなぶっちゃけ話をはじめる…職員と言っても、夏目が小学校のときからの付き合いですから、気兼ねがないです。一時は先生と生徒として、今では同じ立場として成り立ってます。
 1時近くまで盛り上がり、各々解散していく。

 
 部屋に戻ったところで座れる程度のスペースで眠れるはずもなく、うとうとしつつも30分くらいで目を覚ます。それを繰り返し、5時30分になった辺りでチビちゃんズが起きはじめる(環境が違うせいで目を覚ましやすい)ので、漸く足を伸ばして眠れるスペースを確保。そのまま起床時間である7時近くまで爆睡。
 職員・アルバイトはもっと早く起きてますが、もうこの辺は割り切って、

 「夏目ら別にアルバイトじゃないもーん。仕事しに来たわけじゃないから別に構わんのよ」

 いやん最低。でも寝る。睡眠時間が半端なくヤバイ。
 そして起きたところですぐに朝食の準備の手伝いに入る。
 たくわん切る〜。
 朝食はお茶漬けです。
 この辺りはもう慣れたものですから、スムーズに配り終えます。
 

 最後の川遊び。
 その最中にキャンプ地最後のイベントである宝探しの準備を。紙に1から60までの数字を書いて、お宝(玩具・お菓子)を並べて。
 因みにこの辺りの作業、夏目は眠気に勝てずに呆としておりました。紙に数字書くのくらいですな。
 そしてはじまった宝探し、相当数のガキ共が群がる群がる。面白い。
 何度でもリベンジOKなので捌けるまでに時間がかかった。

 
 各ロッジの掃除が終わったらあとは元来た道を戻ってバスに乗り込むのですが。
 まあこの帰り道も行きと変らずチビちゃんズの荷物を持ちます。もうこの辺は当たり前のことなので辛いと感じることはないですね。
 
 
 学童保育に帰ると、昼食のカップ焼きそばをを大量に作る。
 この作業ももう流れがある毎年のことなので大した苦もない。
 ひたすら、

 「体中がぎしぎしするよう…」

 泣き言を言いながら立ったり座ったりを繰り返す夏目。必ず「よっこいしょ」と言わないと立ち上がれない…変な体勢で寝たせいですな。
 
 そして、卒業生は謝礼をもらって解散。
 兄に家まで送ってもらいました。
 家に帰ってまずしたこと。
 シャワー。
 汗臭いことこの上ないし、髪の毛は昨日の煙の臭いだしで、我慢ならなかったんです。
 そして洗濯して、寝ました。
 熟睡。

 
 うちの学童保育には犬が四匹おりまして。もっといたのですが、寿命やら家出やらでこの頭数。
 その中で一番若い「福」というワンコがいるのですが、これがもう副社長が一目惚れして“買ってきた”唯一の犬。あとはみんな拾われたりもらわれたり生まれたりで。

 ■リーダーの黒犬モモタロウ、オス、生徒達の恐怖の対象、真っ黒だから怖いらしいです、夏目の最も愛しい子です、かなりの老犬
 ■白犬のヒミコ、メス、もう歳でよぼよぼしていてろくに動けない、最も古いワンコで、でも甘えたがりで、一度撫でると「撫でて撫でて」攻撃が凄まじい
 ■中型の茶犬サクラ、メス、熟女犬、かわいいですよこの子は名前を呼ぶと尾を振ってくるけど、その中でもお気に入りの人間には凄い勢い、顔で喜んでるのが丸わかりなのが愛しい

 福は上の犬とは遙かに歳が離れていて、孫世代ですな。
 この福が、実は悪性リンパ腫になっていまして、余命僅かと宣告。副社長は介護疲れで7キロ減。
 今回のキャンプも体力の関係で置いていかなければならなくて、かなり心配していたのですが。
 我々がキャンプから帰ってから数時間、家で寝ていた夏目の元へ18時前後辺りにメールが。

 「福ちゃんが息を引き取りました」

 と。
 実際、そう長くはないだろうと昨日見ていて思ったんです。起き上がれないので寝たきりなんですが、前足で一生懸命地をかく。副社長を呼ぶ。
 もしかしたらキャンプ中に、とか実は思っていたのですが、帰ってくるまで待っていてくれたみたいで。
 そしてメールをくれた宮内に

 「帰ってくるの待ってたんだねえきっと」

 って返したら、

 「ね」

 と一文字…どうリアクションすればいいんだろう。
 本当ならすぐにでも行きたかったんですが、足がないので…。明日あたりにでも、と言いたいところですが、祖母との旅行でこれまた。
 副社長の落ち込み振りを考えるとやるせないですが、反面、何処かホッとしている部分もあるだろうなと思うわけで。そういうものですよ介護って。
 ただねえ、一番若い子が亡くなってしまったので、このあと犬達はどうなるのかなあと。多分、副社長、もう犬は買わないと思うんです。もらうか生むか拾うかですが、他の犬達も相当歳を取ってますから、今更新しい子を仲間に加えるのはちょっと無理。すると、いなくなってしまうのですかねえあと数年で。
 夏目達が通っていた頃はその他に猫もかなりたくさんいたんですが、結局今いるのは犬三匹。寂しいものです。
 
 福のご冥福を心よりお祈り申し上げます。



 
 ではでは。
 本日はこれにて失礼。
 次にお会いするのは明後日ですかね。


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