危険域。 Master:(c)夏目

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2004年06月18日(金) ■
 兄・奇襲。





 お久しぶりですコンニチワ。(汗;
 パソコンの接続状態が悪くて、落ちまくり…で日記が書けずにおりました。
 ってか、日参サイトめぐりさえ精一杯でしたけども…。
 どうにも、ケーブルのプラグが甘くて抜けかけていたのが原因かと思われます。我が家に一人、それに心当たりのある女がいるらしいので、悪いのは全てはそいつ。マイマム。
 足引っ掛けて転んだと証言しました。どうしてこんなところにあるものに足を引っ掛けられるのか甚だ謎ですが、成人して看護婦やっていること自体不思議でならない趣味人間なので、今更デスカ。
 ってことで、申し訳ありません…。
 
 

 6限目のLHRで「一般常識テスト」っつーもんをやった。
 指定校推薦を取る際、もしくは就職する際に学校内の判断基準になるとあって、一部は必死こいて勉強していました。
 夏目も例外なく焦っていましたが、なにぶん一般常識とは常日頃日本国内で何気なく生活を送っている際に知らず知らずの内に学び取る当たり前のことなので、勉強の仕様がないんですな…。
 
 「首相の名前とか出るんじゃない?」

 とか憶測が飛び交い、しかし、一般常識とは何処までが一般常識なのかとか…頭の中で大混乱の夏目。
 例えば、当たり前だと思っている、

 「真性レズの発生率は真性ゲイの発生率の8分の1」

 とかって実はあんまり当たり前の知識ではなかったのだと、この間の政治経済の時間に知った(どんな授業してんだ
 微妙な「雑学王」の名前を持つ(どうでもいいことばっか知ってる)夏目は、一般常識とはなんだと懸命に慌てる(日本語おかしい
 いつもらったかわからん進路のなんたらとか言う本を開いて、巻末に乗っている、

 「例えば一般常識テストにはこんなこと出る」

 みたいな例題を片端から見ている。
 
 「三権とはなんだ」

 と問われ、

 「司法、立法、あとは知らん」

 とか答えてみたり、

 「三大栄養素とは」

 と問われ、

 「多分、ビタミンとかそこらへん。ミネラル?」

 とか見当外れなことを答えてみたり。
 ってかそれが一般常識か!? 街角突撃クエスチョンで10人中9人が答えられる質問か!? 三権分立とかはわかるだろうけど、三大栄養素とかわからんし、絶対にわからんし!!
 ええい、ままよ!! と望んだテスト。

 「これはこの学校が作ったものですか?」

 と質問したのは、うちの学校が作っているならばレベルは知れたもの。しかし外部が作ったものだったら到底太刀打ちできないと思ったから。
 しかし結局、学校の進路部が作ったものだと言われたのでかなり安堵。
 祝日とかわからんかったのは痛かったし、英単語も微妙なもんだったのだけど、漢字系とかは結構イケて、政治経済もそれなりに。
 
 「あー怖かったー」

 とか思って時計とを見るとあと10分とかそんなもん。
 見直ししようと思って解答用紙と答案用紙を見比べていた夏目。
 その後、暇だなァとか思ってぐだぐだと過ごして、ついに残り後1分ってところで、担任が黒板に何やら書き出した。
 
 「大学、短大」

 と進路の話でもするのかとボケラと眺めていた夏目は、ハッっとして、

 「やりやがったあの女」

 と呟く。
 隣の友達が、何?と視線を向けてくる。

 「…黒板に答えが…」

 まァ誰でも書けるだろう漢字ではあるけれど、テスト内にあった「せんもん学校へ行く」の「せんもん」を書けと言う問題の答えを、担任は黒板に書いちゃったわけさ。

 「専門、就職、そのほか」

 っとね。
 因みに、「たいしょく」ってのもあったから、半分だけこれまた黒板に板書。
 
 「あーあ」

 とふたりで苦笑。
 時間になり、解答用紙を後ろから集めた夏目は、担任に、

 「先生、“専門”ってテストの問題にあるんだけど」

 と。しかしあろうことか担任、

 「あら本当。あたしの字、間違ってないわよね?」

 問題はそこじゃないよボギー。
 いいよ、もう。どうせ書けなきゃまずい漢字だし。
 取り敢えず、人並みに足りるほどの一般常識くらいなら夏目はあるんじゃないかなと思ってみたり。
 

 因みにみなみは首相の名前を「小泉総一郎」だと思っていたらしい。
 それは「保志総一郎」だよみなみちゃん…。




  
 兄の奇襲。
 亀有にて一人暮らしをしているひとつ上の兄が、23時頃に電話を寄越しまして。

 「俺。どっち?」

 と言われ、

 「…夏目ンよ」

 と答えたかわいらしい妹。
 一瞬“俺俺詐欺”かと思った夏目。実兄の声を忘れるなんて…夏目の中で存在薄いな、兄。
 
 「ババアは?」
 「いない」
 
 我が家では呼び方にマナーも何もありません。
 兄は、母のことを“ババア”と呼び、呼びはじめた当初からなんの抵抗を見せていませんでした。普通なら「親に向かって何その呼び方は」とか言う台詞があるんじゃなかろうかと思うんだけれど、普通の親って言うの知らないからいまいちわからん。夏目的にもこの呼び方を聞いていて抵抗を覚えたことはないし、母親はいつでも心は20代とのたまう不惑女なので、もしかしたら「なんと呼ばれようともあたしは若いのよ」くらいの勢いなのかも知れない…。
 因みに、夏目のことは「猫」、または「デブ猫」と呼ぶシスコン男。今はデブじゃないと声を大にして叫びたい、確かに中学時代は体重が危なかったわよ…ッ!
 ンでもって、夏目は母のことを「母」と呼んでおります。兄のことは「兄」。まんま。
 母は夏目のことを「にゃー」と呼んで、兄のことは呼び捨て。
 
 「仕事か? 日勤? 夜勤?」

 この時間に帰って来てなければ普通は夜勤と考えるだろうと心の中で思いつつ、

 「いんにゃ。休み。遊びにでも行ってんじゃない?」

 冷めた娘です。
 否、遅くなるからご飯は勝手に食べててねと前の日に言われていたので後はどうでもいいのです。
 実際、夏目の母は予告なしでどっか行くこと多いし、無断外泊とか今更って感じだし。兄がいる頃は、兄が煩かったから家で大人しくしてたみたいだけど、いなくなってからは遊びほうけているんじゃァなかろうか。夏目はひとりが好きな娘なので、別段いなくても構わん。ってかいないほうがいい。
 
 「車は?」
 「んー鍵ある」
 「わかった。帰る」

 うんと頷きそうになって、ハタと止まる。

 「何?」

 再度聞き返して、

 「だから帰る」

 何処にと叫びそうになった夏目。
 なんてったって心の中に疚しいことが多すぎる…。

 「今○○(地元駅)まで来てるんだ」

 がちゃりと切られた。
 一人暮らしの兄の部屋には電話がないので、携帯を使っているんだけれど、ナンバーディスプレイには確かにあやつの携帯ナンバーが記されていて、何やらガヤガヤと煩かったんだけれど、それは兄がバイト先から掛けているからだと思っていたんだけれど…あああ大混乱。
 そして直後思った。

 「ヤバイ!!」

 地元駅にいると言うことは、家に着くまでに30分以上かかるだろう。(夜中だからバスがないだろうと思った。夜間でもかなり待つだろう)
 その短時間で、何処までやれるかは夏目の迅速な行動にかかっている。優先順位を頭の中で瞬時に計算して、踵を返した。
 何をそこまで焦っているか。
 それは、兄が家を出る前までに使っていた兄の部屋の有様と、夏目の部屋の有様があまりなことになっていたので、怒鳴られる前になんとかしなければと思ったのだ。

 「もっと早く言えボケッ」

 と口汚く罵りながら、まずは兄の部屋の掃除。って言っても、夏目が置きっぱなしにしていた制服と、学校でもらったプリント類をどかせばいいだけ。そしてついでにファブリーズ。気が利く妹ですこと。
 その後すぐに己の部屋の掃除に乗り出す。
 時刻は日付境界線間近。何故こんな時間に部屋の掃除など…寝たいのに…。
 大体、車が使いたいなら前もって言っておけよ。地元駅まで数時間かけて夜中に来て、もしこれで車なかったらどうするつもりだったんだろうか、あの男は。
 ぶちぶちと文句を言いながら、部屋に散らばる小説とコミックを山積みにして分類、隙間から出てきた紙やら消しかすやらをゴミ袋に突っ込む。取り敢えず、見られるくらいのできにしておけば問題はないだろう。ええ、くそう。
 部屋にある程度の隙間を(掃除したとは言えない…)作ったあと、台所に向かって洗い物。さすがに洗濯はできないので、そのままにしておいたけれど、目に見えるゴミは拾って、玄関の靴を片付けて…と、何やら単身赴任の旦那が久しぶり帰って来るのを直前で知って慌てている妻のような行動だと気がついて、気が遠くなる。
 とにかく、自分の部屋は死ぬほど汚いくせに、人には女らしさを求めるシスコン男に夜中に怒鳴られることがないように、夏目は眠さを我慢して家を掃除したのだよ。大して変わってないかもしれないけどね。
 その後、手を洗って顔を洗って(手洗いはクセ、顔は汗で…)ヘアバンして、さもいつもと変わらないわよ家の中は、何も慌ててなんていないわよ的な態度を取って、布団の上に転がる。BL小説を片手に犬神のCDを聞きながら兄の来訪を待つ。頭の中は落ち度はないか、片付け損ねた部分はないかとかなり慌てていたけれど…。
 久々に帰ってきた男に怒鳴られ、その上、機嫌悪くされるなんて冗談じゃない。大体、夏目の兄貴は大魔神より怖い。最近は手が出ることもなくなったけど、昔はしょっちゅう殴られてたし、機嫌が悪いと人に当たるし、その上、あいつが何に対して機嫌を悪くするのか17年以上一緒に生活してきた夏目には未だにわからない。そんな男相手に、余裕で構えていられるか。シスコンのくせに…ッ。あやつが家を出た日から、夏目にとってはパラダイスだ。常に一人、気兼ねすることなく一人、そして何よりあいつの存在を気兼ねしなくてもいいし、帰りが遅くなっていちいち電話をもらうようなこともない。19時に「何処にいるンだ」とか電話もらったってさ、オイオイって感じじゃないか。まだ19時だし、みたいな。今なんて平気で23時前くらいに帰ってるっつーの。うちの母は自分が遊んで帰り遅いこと多いから、何も言わないのさ〜。
 そして大魔神のご帰還。

 「まだプーやってんのか?」

 と言われ、

 「○○受けるために教師媚び売ってる最中なんだよ」

 と答え(嘘ばっかだな、ヲイ
 教師に媚び売るなんて…ほぼ冷戦中だっつのに…担任との仲も微妙だしねェ。
 あの刺々しい教師陣の瞳が物語るもの…考えるのも嫌だし。
 兄は母と同様、教師嫌いな御仁なので、教師と仲良くするなんて虫唾が走るくらいの勢い。
 
 「まァいいや、車借りる」

 と夏目に万札を投げるお兄様(ヲイ
 専門学生のクセに月に21万とか驚異の稼ぎをしているお兄様、どうやら給料入ったばかりで羽振りがいいらしい。
 学費以外の全てを自分でまかなっているので、ある意味とても尊敬…それはいんだけれど、高校時代と変わらず、学業より金稼ぎのほうが本業らしいね。まァいいんだけれどね。
 そして嵐のように過ぎ去って行ったお兄様。
 週末に車を借りに来ると言うことは、多分、遠恋中の彼女とデートだなと邪推。はぶりもいいことだし、今日はラブホにお泊りかしら? と下世話な推測を立てて、万札を財布の中にしまう。
 よもや手塩に掛けて溺愛(愛情表現が歪曲しているのだと母は言っていたな…)してきた夏目が、ここまで腐った思考を持っているなんて知らない兄は車に乗って、案の定彼女のところに行ったらしい。
 けども、夏目の下世話な推測は外れ、結局彼女と朝方までドライブだったみたいね。朝方に帰って来て二人で夏目が懸命に片付けた兄の部屋のシングルベッドに寝ていたから。
 そう言えば、母子家庭の我が家でひとつ下の妹を父親代わりに守ろうとでも思ったのだろう兄の楔から離れるため、早く女とくっつかないものかと小6のときに思ったな…しかし、女とくっついても変わることのないシスコンぶりは…今でもたまに発揮される…なんだかんだで妹がかわいいんなら、いい加減放っておいて下さいませ、お兄様。だからあんたに彼氏が紹介できないのよ、怖くて…今はいないけどね…ッ!(自棄
 


 ではでは。
 本日はこれにて失礼。






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