ガソリンの揺れかた - 2002年10月14日(月) ここの所どうしても、したい事があった。 そう、バイクに乗りたかった。 どうしてそう思ったんだろう?季節的に今が一番 乗りやすいからと、直感的に思ったからだろう。 数少ないバイク乗りの友達に連絡をとって、 バイク屋さんに連れていかれ、メットなんか買って貰っちゃった りして、(スマソー)乗っけてもらいました。 いやぁ、最高!ホントに楽しい。 400ccのバイクだから中型なのかなぁ?背もたれ付きなので ちょっと楽チンだった。 軽く走りながら両手離せる事に感動だったなぁ。 以前は、1300ccだったし、クラシックタイプっていうんですか? そういうバイクだったので、出足で後ろに落とされまいと必死だった んだけど、400だと楽なんだなぁと思ったりした。 乗ると色々な事を思い出すもので、息が吸えなかったり、太股に力入れて 乗らないとイケナイとか、橋の上は空気が変わるとか、お日様のありがたさ とか、もう色々。 こういう感覚的なモノは、どうしたって徒歩でも車でも自転車でも 味わえなくて、味わっていたのかもしれないけど、気が付かなくて もったいない事したなぁとか思ったりした。 日が落ちてから乗ると、場所によって空気とか湿度とか変化するのが 身体で感じられて、そうそうこういうのが本当に好きだった。 降りた後に、寒くて身体がガチガチになって、上手く歩けなくて 120円の缶コーヒーが美味しくて、縮こまって飲んだっけなぁと 懐かしくも思い、好きなんだとも思った。 昔、付き合っていた奴がバイク乗りで、真冬の朝と晩、 乗っけてもらっていた。 バイクで冬に走るのは、乗った事ない人以外は解らないだろう と思う。湯船が自分の体温で冷めていく位に冷える。 そこまでして乗らなくてもいいのかも知れないけれど、 バイク乗りは、阿呆だからそれでも乗る。 見えない景色、感じられない空気を直に感じる事が出来るから 乗るんだろうな。 道路脇の樹木が、緑の葉をつけて黄色くなって枝になる頃、 鳥の巣が見えたりすると、乗ってて良かったなぁって思ったりした。 鼻は真っ赤になって、指先も膝も冷たく痛くなって、それでも必死で 背中にしがみついていた。ハッとする事も沢山あった。 ラッシュ時の横暴な車の運転。 いつ死んでもおかしくないのは、バイクなんだなって実感した。 乗る機会の全くなかったバイクに、乗れた事は良かったと思う。 下手すれば一生乗る事も無かっただろう。 「中学校の時かなぁ、俺はいつか1300ccのあのバイクを買って、 日本一周してやるんだ!って言ったらみんな笑いやがったよ。でも 俺は、手に入れて一周したよ。何年もかかったけどね。」 400ccも良かったけれど、1300ccのあのバイクのエンジン音は 大きくて広いんだなぁと思った。 「自分でこうなりたいと思って生きてなければ、そういう風には 絶対になれないんだ。それが、生きるってイミでしょう?目標なんて 何十年後であっても、明日であっても変わらない。実行出来てるか どうかだけでしょう?」 乗りながら、後ろでよく口ずさんでいた唄があった。 淋しさだとか 優しさだとか 温もりだとか言うけれど 切なさだとか はかなさだとか 運命だとか言うけれど そんな言葉に興味はないぜ ただ鉄の塊にまたがって 揺らしてるだけ 自分の命 揺らしてるだけ -
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