てぃるるの日記

2003年03月04日(火) 欝は続くよ〜例会報告〜

 久しぶりの日記です。本当に久しぶりです。なぜしばらく日記を書いてなかったというとかなり欝がひどかったからです。でも今日はやっとの思いで日本女性学研究会の12月の例会報告だけは書き上げました。だけど資料室便りのほうは落としてしまいました。ああ、ごめんなさい。研究会の皆さん、ごめんなさい。本当にごめんなさい。今度の運営会議にはお詫びにお菓子を持っていきます。もう落としませんから許してください。ごめんなさい。

 というわけで例会報告だけここに載せますね。

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12月例会報告
          
 『ポルノグラフィー被害:その実態と理論』についての例会を12月26日(木)午後1時30分〜4時30分に難波市民学習センターで開きました。その日は忙しい年の瀬でしかも平日の午後であるにもかかわらず、この例会の案内を朝日新聞に載せてもらえたおかげなのか20名以上の参加がありました。大半は非会員でした。うち、男性は講師以外は一人だけでした。
 講師は、ポルノ・買春問題研究会(APP研、http://www.app-jp.org)のスタッフの一人して研究、活動しておられる森田成也氏でした。司会は私が担当させていただきました。
 先ずAPP研発足の経緯から話が始まりました。APP研の初期の取り組みの一つがバクシーシ山下監督らによる「女犯」シリーズなどをはじめとするレイプビデオなど暴力的アダルトビデオ(AV)の分析と問題提起でした。
 また、ポルノグラフィー被害は、ドメスティックヴァイオレンス(DV)やセクシュアルハラスメント被害の一部としては浮上してきてはいたものの、これまで無かった概念でした。ポルノ被害という概念は、ちょうどセクシュアルハラスメントという概念やDVという概念のように、その概念ができたことでやっと被害が認識されるというところにその意義があります。
 ポルノ被害は、1.強制行為と2.ポルノグラフィの押し付けという二つの類型に分けることが出来ます。
 1−1、ポルノへの強制出演・・・たとえば水着や下着のモデル撮影と偽ってマンションの一室などに連れて行き、集団レイプして撮影したものが裏ビデオとして流通するというケースがあります。これらは暴力団の資金源です。
 APP研ではカウンセラー、弁護士など相談業務をしている人にポルノ被害の相談についてアンケート調査したところ、この類型に当たるものが9件あったそうです。ちなみに回収率は1割、被害相談を受けたことがある人は167名でした。
 1−2、出演には同意したもの撮影の過程で強制行為が行われる。これはAV業界では非常に多いです。これは7件です。
 1−1,1−2に関しては、被害者は被害を認識しています。
 1−3、盗撮ポルノ。これは34件もあったそうです。日本では盗撮そのものを取りしまる法律がありません。これも立法などの対策が必要と思われます。
 1−4、撮影には同意しているが撮影後同意なく公開されるパターン。これら1はポルノが公開されるパターンです。
 2−1、見たくないポルノを見せられる。80件ありました。これも2−1−1、DV,セクハラなど特定の女性がポルノを見せられるパターンと、2−1−2、環境型ポルノ被害の二つに分けることが出来ます。
 2−2、ポルノ的な行為を強要される。78件ありました。これはDV被害アンケート調査の項目にすらありません。これから調査項目にいれるべきだと思われます。
 3、ポルノグラフィを原因とする暴行脅迫・・・これは一般論の領域ではなくて、実際にポルノを見てやりたいと思ってやるというケースです。例えば神戸市の教師が中学生を死なせた事件や、北海道での監禁事件などがあります。12件です。
 4、ポルノグラフィを通じた名誉毀損。たとえばアイドルコラージュや「2ちゃんねる」という匿名総合巨大掲示板サイトでの一部の書き込みなどです。14件です。
 5、ポルノグラフィの取引行為。これは女性の平等権、人格権の侵害です。また、女性自身の自己認識をも歪めます。
 さて、APP研のアンケート調査の結果によると加害者の85%が夫ないし恋人だそうです。離婚事件の相談の中で聞くことが多いそうです。また、加害者の6%が上司・親・教師だそうです。

 さて、法的対処についてですが、なぜポルノ被害を救済するために独自の法律が必要とされているかというと、既存の法律はこれに対して無力だからです。たとえばDVのように、です。既存の法律は無力であったのに既存の法律で対処しろというのは被害を放置しろというものに他なりません。

 以上が例会の主な内容です。会場では活発な質疑応答が交わされました。時間が足りなかったほどです。盗撮ポルノや児童ポルノ、漫画やアニメやPCゲームのポルノ的描写についてなど、話題は多岐にわたりました。
 例会の後、講師の方を囲んでお茶を飲みましたがそこでも10数名以上人が集まりました。
 会場の皆様のやり取りを見て、ポルノ被害への関心はそんなに薄くないのではないかと私は思いました。普段はポルノグラフィー問題を取り上げる機会が少ないだけなのかもしれません。この問題について語れる場の必要性を感じました。

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ちなみにバクシーシ山下の「レイプビデオ」問題については以下のサイトを参照するとよりわかりやすいでしょう。
ネオ・リベラリズムと性暴力


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