2007年07月20日(金) |
報告 「共生」を考える研究集会 |
川崎は昨日、午前中は台風の影響で大雨でしたが、集会がはじまるころ になって雨も収まりました。
参加者は限定してほしいという上野さんの依頼であったので、会場は45 名用の部屋を予約したのですが、予備の椅子を準備するほどでした。 大学生から80歳を超える方々(李仁夏先生も参加くだしあました)が 参加され、学問と運動の「幸せな出会い」を求めた企画は成功でした。
2時から1時間、韓国KBSのTV番組の日本語翻訳版、7−8年前のもの だったのすが、今観てもよく作られていました(自分の変化に驚きましたが)。
3時から上野千鶴子さんが90分をフルに使い、レジュメに沿った基調講演 をしてくれました。レジュメの項目は以下の通りです。
1.マイノリティとしての女性 2.ナショナリズムとジェンダー 3.多文化主義と共生 4.多文化主義批判 5.多文化主義の変容 6.国民国家への統合/包摂と排除 7.市民権と国籍の分離可能性 付論)応用問題としての川崎市「人権と共生」問題 1)外国人市民会議 2)自治体公務員「外国籍公務員の任用に関する運用規程」 3)川崎市長による「準会員」発言 4)指定管理者制度 NPOの「下請け業者」化
女性学を立ち上げてきた経験と、そこで磨かれた理論、それを基にした 具体的な実践から語られる内容は、日本の女性学(社会学)の最高の 知的・実践的な水準のものでした。
個人のニーズ、当時者性を物事の中心に据えるということから、川崎の 「共生」のシンボルとしてこれまで最大限評価されてきた、外国人市民 代表者会議も、市側のパターナリズムによるもので、「ガス抜き」と喝破 されました。ふれあい館に関しては名前をあげませんでしたが、根本的に それがどのようなものなのか、明確になったと思われます。
3人のコメンテーター(千葉大の伊藤教授、横浜国大の加藤教授、朴鐘碩) の発題の後、会場からの質問に対する上野さんの意見、ということで結局、 5時間近い、「共生」を考える研究集会は大成功のうちに終わりました。
2次会では20数名の参加者全員が自分の意見を述べ、今後も継続して やりたいという声もあがりました。この点に関しては事務局で総括会議を 開いて今後のことを検討します。
さらに上野さんから川崎の外国人が全人口の2%を占めるのであれば、 それを土台として、擬似代議員制度に乗っかるのでなく、市に直接ものを 言うことを考えてはどうかという提案があり、これまでにない全く新しい 外国人住民運動が可能なのではないかと思い始めています。これまで 蓄積された学問、運動を基にして日本人と外国人住民が共闘して 何ができるのか、模索するつもりです。
ということで、多くの集会に参加した人は感動し、新たな展望に関する 予感をもちはじめたということを、喜びをもって皆さんに報告します。
テープが必要な方は連絡ください。
準備会事務局 崔
|