川崎連絡会議日報

2005年02月14日(月) 米原市長の主張を川崎阿部市長に聞かせたいですね


1月29日付、朝日新聞に論壇かな、外国籍と公職」と題して、呉文子(同人誌
「鳳仙花」代表)の小論がありました。

そこで、滋賀県の米原町が昨年6月、内閣府に国籍条項の撤廃を求める要望書
を提出したとありました。

要望書そのものはネットの検索でもわかりませんでしたが、町長の考え方が以
下のようにありました。
米原町は02年3月実施した市町村合併に関する住民投票で全国ではじめて永住
外国人の投票資格を認めています。

町長は県職員であったようです。
やはり自治体労働者の取り組みは重要ですね。

それと、阿部市長の「準会員」発言との違いは歴然としています。

村西市長は「住民としての基本的な権利義務は日本国民にも外国人にも認めら
れている」と言い切っています。

上田

====

以下、引用です。
↓  ↓

「永住外国人 住民投票でまちづくり参加を」
                     米原町長 村西 俊雄
                    (2002.2.7 朝日新聞掲載)

 滋賀県米原町は琵琶湖の東北部に位置し、古来、交通の要衝だった。いまも
名神高速道路や北陸自動車道が通り、県内で唯一の新幹線駅がある。

 いま「平成の大合併」が叫ばれ、私の町も例外ではなく対応を迫られてい
る。人口約1万2700人の米原町では現在、周辺の彦根市や長浜市などとの
3通りの合併構想が持ち上がっている。住民の将来に重大な影響を及ぼすこの
問題を私だけの判断で決めていいのか。00年10月の就任以来、ずっと自問
し続けてきた。その結果、住民とともに考え、議論して住民の総意を導き出す
ための手法として行き着いたのが、1月18日に議会で可決された住民投票条
例だった。

 この条例には、永住外国人にも投票資格を与える内容を盛り込んだ。全国初
の試みだとして各方面からいろいろな意見をいただくが、私は、難しい議論の
ある「地方参政権」とは違い、「住民とは何か」の視点から導入を判断した。
永住外国人も日本国民と同様に地域で暮らす住民との思いが強くあったから
だ。

 地方自治法第10条の住民の意義及び権利義務などによると、市町村に住所
を有する住民は、国籍を問わず、その市町村から等しくサービスを受ける権利
を有するとともに、税、負担金、保険料などの負担の義務を負う、となってい
る。つまり、住民としての基本的な権利義務は日本国民にも外国人にも認めら
れている。合併問題は全住民にかかわる重要な問題だから、永住外国人への投
票資格の付与は当然のことと考えた。

 こうした考えを持てたのは、県職員時代に公務員の採用資格の国籍条項撤廃
問題に取り組んだ経験が大きかったと思う。組織の活性化のため、国籍のいか
んを問わず有能な人材の登用が緊急の課題だった。好むと好まざるにかかわら
ず、時代は動く。常に新しい現象に対応していかなければならない。

 いまでは、大勢の日本人が外国へ出かけるように、外国人も日本にやってく
る。地域社会に外国人が住んでいるのが当たり前の時代で、地域でも国際化は
確実に進む。外国人との共生のあり方や異文化との交流を考えない限り、これ
からの社会の発展はない、と感じている。

 米原町には約110人の外国人が住み、このうち30人余りが今回の条例で
対象となる永住外国人だ。その中には、国籍を大っぴらにしていない人や本名
を名乗るのを避ける人もいると思われる。住民投票に参加するには投票資格者
名簿への登録が必要で、名簿は縦覧しなければならない。そこで、これらの人
たちのプライバシーを守るために、本人の申請によって登録手続きをとり、登
録名については実名か通称名かを本人に選択してもらえるような方式の採用も
検討している。

 住民投票に向けた下準備の段階で、永住外国人への行政施策を再確認する必
要があることも分かってきた。例えば町の広報誌。自治会に入っていない永住
外国人にも完全に配られているかなどの調査を進めているが、こういった問題
を一つひとつ整理していくきっかけになった点でも条例は意義があった。

 地域社会では、住民は誰であろうと、共に安心して暮らせる地域づくりに汗
を流すのが本来の姿だと思う。そのためにも触れ合いを深め、永住外国人にも
連帯意識を持って意欲的にまちづくりに参加してもらうことが大切だ。その第
一歩が住民投票を成功させることだと信じている。



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