川崎連絡会議日報

2005年02月05日(土) 「帰化してもらいたい」石原東京都知事発言

石原東京都知事が定例記者会見で鄭香均さんの裁判に付いて、以下のように語っています。

私たちはこれについて川崎連絡会議としての見解を準備しています。

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石原知事定例記者会見録
平成17(2005)年1月28日(金)15:00〜15:23

【記者】裁判のことで。

【知事】毎日は反対なんだろう。朝日も反対だよな。それから産経と読売は賛成か。いろいろ価値観が違うでしょうがね。これは、私は至極当然だと思いますね。裁判所が下した判決は正しいと思う。

 それはね、外国の人はね、日本に対してではなしに、彼なり彼女が帰属している国家に対しての権利義務を負っているわけでしてね。その外国人がね、日本においての、日本の公権力というものを行使する。その公権力というのは何かと言えば、いろんな分析があるでしょうけども、つまり国家の主権というものの一つの表示ですわな。

 しかし、国家の主権というのはどこにあるかといったら、国民にあるわけ。日本人にあるわけだ。それをですね、行使する、上は総理大臣から、あるいは県知事、市町村の首長というものが選挙で選ばれるわけです。総理大臣の場合は間接的に選ばれるわけだ、議会で。その国民の意思の代行者として、それぞれの首長が、総理も含めて、そのスタッフを行使して、権力の行使、公権の行使をするわけでしょう。それを外国人が行うということの、私はやっぱり、法的というか常識的な矛盾というものを、やっぱり最高裁は斟酌して、当然の判決だと思います。

 それから、あの人はやっぱりよくないね。あの後、裁判は裁判で淡々と受け入れればいいのに、こんな国にほかの人は来るなとかね、こんな日本に外国人は来ない方がいいとかね、これはどういう資格で、どうしてこういうことを言うんですか、これは。

 アンケート(アンケートではなく、都民等から寄せられた「意見」)が随分来ましてね、これに対しての都民の反発というのは物すごいね。400通ぐらい来た中で、そうだと言う人間はほとんどいない。99%、要するにけしからん、あんなことを言うべきではない、それから、最高裁の判決は正しいというのが都民の判断ですな(補足:平成17年1月28日17時現在、生活文化局広報広聴部都民の声課が受付した本判決に関する意見、総数360件のうち、判決や都の主張を支持する内容のものが350件、支持しないとする内容のものが8件、その他が2件であった。)。それに対して何か異論があるなら、新聞でやってくれ。

【記者】一方で最高裁は、合憲判断した13人の裁判官は、この問題については地方自治体の裁量の範囲ということをおっしゃっているんですけれども、それについて、知事は、管理職任用ならずも、ほかの職種の門戸を、例えば広げるとか、そういうような意思は。

【知事】それはありますよ。ただそれは、管理職ということになるとね、つまり、この人は看護婦さん、看護師さん(東京都では「保健師」として勤務)でしょう。それで、やっぱりある専門性を持った専門職ですよ。

 しかし、専門職というものは、管理者としてずっと栄進していくと、金平さんというのが前、副知事にいたそうだけど、この人なんか、やっぱり何かの専門家ですが、お医者さんかな(元副知事である金平輝子氏は、「心理」職)。そういう人が場合によっては副知事までなる。そういうシステムということの中で、繰り返して申し上げるけれども、つまり国籍を持たない外国人が、そういう立場で公権力というものを都民のため、国民のためにどうやって使うか。

 例えば、彼女が婦長さんになったとしたときに、管理職として(都立病院における看護系の管理職の職名は、看護部長、看護科長及び看護担当科長)、非常に災害が起こって病院が取り込んだときのトリアージとか、そういった問題というものを、看護婦さんたち、看護師さんたちのリーダーである婦長なら婦長の立場でする、せざるを得ない、そういったケースのときの判断というものに対して、まあ、それ以上のことは、私は想定し切れないからわかりませんけども、やっぱり管理職としての責任というものの行使を、外国人の感情でやられたら、とても都民としては、危惧に堪えないというケースもあり得るでしょうね。

 他の県はどうのこうのって、他の県は知らないんだ。私は他の県はどうでもいい。他人のことはわからないし。それは、東京都の立場と違う県もあると。あるかもしれない。しかし、やっぱりそういうものを統一させるということは、やっぱり国の責任だと私は思いますよ。時間的、空間的に世界が狭くなってきているときに、これからもこういう問題が起こるだろう。

 それから、私は、国会議員のころから移民政策を積極的に大幅にやるべきだという、かなり数の少ない提唱者だった。仮にそれが実現していったときも、この問題ができてくるし、この人は管理職になりたい、東京都で管理者として自分の技能をもっと生かして、責任のある仕事をもっとしたいというのなら、ぜひ帰化していただきたいですな。彼女の帰化を阻害するものは何があるか知りませんよ。片っ方の親は日本人なんでしょう。私は、今までの彼女のキャリアからいったって、彼女の帰化を阻止する要因はないと思うんだ。だったら私は帰化していただきたいと思います。

【記者】先ほどの裁判のお話で、知事のお話で少しわかりにくいところがありましたものですから、確認させていただきたいんですけれども、婦長さんとして、災害時の活動などを例に……。

【知事】まあ、一つの想定ですけどね。管理職としての仕事はいろいろあるでしょう。

【記者】それで、外国人の感情でやられてしまったらたまらないケースもあるとおっしゃいましたけれども、それは想定できないともおっしゃってましたけれども、例えばそこは一体どういう感情なのかというのが……。

【知事】いや、それは一つの例であって、何かもっとわかりやすい例があったらいいと思いますけどね。

 それはやっぱり、いずれにしろだね、日本人と外国人は違う。つまり、彼女がもし日本人だったら、日本に対するアイデンティティーを持つでしょう。それはやっぱり一つの価値観というものを引き出すですね、大事な要素だと思いますよ。彼女はやっぱり日本の国籍を持つつもりはない。しかも、こんな国、日本なんて国に外国人は来るなと、要するに裁判の後に言うような人がだね、私はやっぱり相当問題があると思うね、これ。まあ、感情的になってると思うけども。こういったものを日本人は許容できますか。朝日新聞、許容するんですか。

 裁判に負けたから、こんな国に要するに来るなと。自分のことじゃない、外国人に向かって、こんな国に外国人は来ない方がいいと言う、そんな日本人っているかね。やっぱり外国人だよ、これ。

【記者】特定の感情を持った人が都の管理職について、たまったもんじゃないと都民が思うということはたくさんあると思うんですけれども、それは、外国人であるかどうかということと関係がありますでしょうか。

【知事】ありますね。大事な問題だと思いますね。

 つまり、公権力というのはね、要するに、国民の意思というものを負託された首長というのが国民にかわってするわけですよ。徴税だってですね、ほかの業務だって全部そうじゃないですか。警察行動だってそうじゃないですか。

 じゃ、あなたはやっぱり警察官のね、要するに、何というのか、指導者は、今はあり得ないけどさ、ヒラの巡査だってやっぱりなりっこないけどさ、外国人の警察官に自分の治安をゆだねられるかね。つまらぬ質問するなよ、本当にもう。

 やっぱり君ら、君なんか、要するに、根底にメディアとしての価値観があるんだろうけど、それは紙面で問うたらいいよ。国民が是としないか知らぬが。


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