2004年10月11日(月) |
福井県議会に抗議文を提出しました |
福井県議会へ川崎連絡会議として、以下の抗議文を提出しました。
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2004年10月9日
福井県議会議長 前田 康博 殿 総務教育委員会委員長 一瀬 明宏 殿
外国人への差別を許すな・川崎連絡会議 代表 望月文雄 川崎市川崎区観音1−1−19 電話 044−599−1447 FAX 044−599−0609 e-mail kawarenraku40@hotmail.com
「国籍条項撤廃」陳情不採決に対する抗議文
私たちは、「在日外国人の参政権を考える会・福井」が提出した「県職員の採用・任用時の国籍条項撤廃陳情」に対する、9月30日開催された福井県議会総務教育常任委員会での陳情不採決決定に強く抗議します。
(1) 市職員が仕事をするときに国籍がどうして問われなければならないのでしょうか。労働基準法は「国籍、信条または社会的身分を理由として賃金、労働時間その他の労働条件について差別的取り扱いをしてはならない」(第3条)と謳っています。同じ職場で働く労働者が「外国籍だから」と差別されることは許されません。憲法違反です。
川崎市は、96年全国に先駆けて国籍条項の撤廃を宣言しました。しかし、新たな差別制度である「外国籍職員の任用に関する運用規程−外国籍職員のいきいき人事をめざして−」(通称、「運用規程」)を制定しました。私たちは、「運用規程」撤廃を目指して川崎市と交渉を行っています。7年が経過し、外国籍職員が希望した職務が制限されているとの理由で異動をあきらめざるをえない現実が明らかになってきています。
(2) 川崎市との交渉の中で人事課は「職員の採用については人事委員会の権限である。採用され市役所に入った後の権限は任命権者である市長にある」、さらに「市長が任用管理の考え方を変えれば、それが即通用する事になるのか」と問いに「そうなります」とはっきりと答えています。
かつて伊藤三郎氏(前川崎市長)は指紋押捺拒否者の不告発を宣言しましたが、任命権者である市長の判断=決裁があれば「運用規程」の見直し・撤廃ができるということです。
長野県・田中知事は「意欲ある方に等しくチャンスが与えられるべきだ。いかなる根拠で制約しているのか」と「国籍条項完全撤廃」を表明しています。
「当然の法理」は法律ではありません。97年の東京高裁判決によって「当然の法理」はすでに破綻しています。地方自治体として独自の判断がなされるべきです。
(3) 70年日立就職差別裁判以降、外国人であるという理由で閉ざされていた就職の門戸は徐々に開かれ、弁護士や地方公務員にも就職の道は開かれるようになってきました。
しかし、川崎市との交渉に出席した在日朝鮮人は自分の息子がバイトを探そうと電話すると、日本語で話しているのに「日本語が話せますか」と言われたり、「韓国人です」と言うと「お断りします」と平気で言われ、20件以上断られたと訴えました。民間に就職差別をなくせと言っている監督官庁が平気で「運用規程」で差別を行っているのだから、民間企業もそれにならっているのだ、と厳しく問いただしています。
日本はいま、大変な岐路に立っています。「有事法制」「国民保護法制」が制定され、同時に「国益」「ナショナリズム」を鼓吹され、差別意識も強まっている状況です。阿部川崎市長は「在日外国人は準会員、だから権利義務において制限されるのは当然」と発言しています。
こうした時代に地方自治体は平和と地域住民(外国籍市民も含んだ)の生活と権利を守る「地方自治の本旨」に基づいた役割を果たすべきです。
以上から「不採決」の速やかな撤回とともに本会議での「採決」を強く要請します。
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