ちょっとしたメモとか。
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コンクール前の生徒ちゃん。 難しい曲を今必死で弾いております。 私の演奏をテープに録音して それを聞き乍家で頑張ってるみたいなのですが どうにも音譜読むのが遅い子は 可哀想だけどやっぱり時間かかります。 読譜がやっと出来て指がそれを覚えた頃に 既に両手で曲想に入ってる子がいて そういうのを見た時に どうしてこういう違いが出来るのか いつも悩んでしまいます。 けどだいたい答えは二つ。 一つはその子の持ってる性格と もう一つは頭の回転の速さが関係しています。
まず性格。 上手く弾けなくても 諦めないで根気よく頑張れる子は 進み方は遅くても確実に手が覚えてくれます。 やらないと出来ないのを判ってるからです。 けど最初から読譜も早く 初見である程度見れてしまう子は 少しやったら完成に近くなる事を知っているので 最初はすぐ出来てもその後が伸びません。 コツコツ練習する事が面倒な子は だいたいそういうタイプが多いです。
そして頭の回転。 学校の勉強とか、話した事をすぐ理解出来るとか そういう頭の回転の速い子は 読譜する事と鍵盤と手の三つがすぐに繋がって 行動も早く、弾く事を早く覚える事が出来ます。 何事も深く考えてしまって、なかなか答えが出せないタイプの場合は そこがどういう構造になっていて、自分はどれをどうしようとしているのか ちゃんと解決するまでそこから動けません。 だからなかなか進みません。
上手くいえないんですが、今までの経験から言えば いま上手くいかなくても 根気よく高校生になっても続けていれば 突然、持ってるものが開花して絶対上手になります。 大抵は、そこまで根気が続かなくて 高校生になるより早く辞めてしまい 結局何も残らないというパターンが多いですが 中学で少々お休みしたりして、出来ない期間があっても 高校生で戻れば必ず上手くなります。 ていうのは、頭の中が大人になる分だけ 今までと違う視野でピアノを弾けるからです。 小さい頃にJAZZやバラードを弾いても 感情面で劣るのがいい例でしょうか。 そしていままで自分が出来なかった事とかも 何が出来なかったのか理解出来るようになる。 自分で自分を改善できるようになるからです。
これは私個人の見解ですが 小学生、中学生の時は タマゴで言うと殻を作ってる状態で 中身が生まれるのは高校生以降だと思っています。 基礎や、テクニックが殻の部分 感情や表現、個性の部分が中身です。
その中身ですが。 親というものは、習わせているからには 目で見える上達というモノが欲しくて やはりそれを実感して、子供の成長を見たいだろうと思います。 すごく気持ち判るし、実際自分もそう思ってしまうかもと思います。 けど大事なのは結局は中身。 ここが理解して貰いにくいんですが 目で見える成長よりも見えない部分の成長の方がホントは大事なんです。 いくら基礎が上手でも、それを表現する感情面が欠けていては 機械が弾いてるのと一緒です。 でも、歌も歌わない、アンサンブルも無い個人レッスンでは その部分を補いきれません。これはホントにそうなんです。
合わせる楽しさ、歌う楽しさ 一つの目標に向かってみんなで作り上げる感動 そういうものからも、中身は出来上がります。 中身は、レッスンだけで作るものではなくて 映画を見たり、お芝居を見たり、興味のあるものに挑戦したりして 感動して、実感する事で感性の部分に影響されて初めて 出来るものだと思うんです。
高校生の頃、 バンドがあんなに楽しかったのはその所為だったんだなって、 今更ながら思います。 あの時、やっててよかったとホントに思います。 舞台に立った感動とか 仲間と合わせる楽しさとか 一つのことに向かった記憶は 今も鮮明です。 目に見えるものより やっぱり「心」が大事だと思うのでした。
水月陵
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