夏の装い - 2003年08月02日(土) 7月にもきものを着てはいたのだが、忙しかったこともあり、 出かけるギリギリの支度となり全く写真をとることはしなかった。 長引く梅雨のせいもあり、 もっぱら洗えるきものが登場していたこともあったのだけれど。 本日は、横浜能楽堂まで「平家物語の世界」と題した能・狂言を見に行く。 はい・・・萬斎氏がご出演。 それはおいても、朗読あり、平曲あり、解説もあるよ、となると、 平家物語は見てみたい、と思っていたから、もうかなりのご馳走演目。 母や、母の友人も行きたい、というので、総勢6名となった。 早めに予約をした3枚は正面の3列目。 こんなに近くで萬斎氏とご対面(対面・・・では決してないけど) なんて、きっとそうそうないだろうな。 お天気もよくなったので、やっと着られる絹芭蕉 色味はかなり渋いんだけど、 柄はパッチワークふうにいろいろなものが繋がっている。 帯によって、若くも着られるからいいかな、と選んだ。 地味派手って感じ。小物を水色系にしてみたら、かなり粋になってしまい、 ちょっと若々しさにかけてしまったので、ピンクでそろえてみた。 半襟は麻の薄いピンク。帯揚げは、夏に大活躍の蜻蛉柄。 この反物に合わせて選んだのは、生紬の帯。 番傘がすごく気に入っている。 去年は締める機会がなく、今日はどうしてもこれが締めたかった。 母が作ってくれた夏大島が一枚あるのだが、これがまたすごく渋い。 黒に近いような焦げ茶で、雪輪柄。 まだ着るにはちょっと早いかな、と思うので、 もう少し先までしまっておくつもり。 この傘の帯は、夏大島にもぴったり合いそうだ。 前はこんな感じ。 絹紅梅と同じように、この絹芭蕉も袖を通すと、 空気をはらんだように、ふわっとする。体にはりつくことがなく、 風が通っていく布である。 夏のきものを楽しめる時期は短いし、 その短い時になかなか着る機会が作れないのが残念だ。 そうそう「いいところ」へ出掛けるわけではないから、 ちょいちょい着るには、浴衣を着物ふうにしたり、 洗える着物にしてしまうし。 大切なきものを惜しげなく着れちゃうほど、 まだまだ贅沢になれないなぁ。 今年の夏は、後何回着られるかしら。 演目は、平曲 敦盛最期、狂言 呼声、能 生田。 呼声は、太郎冠者が無断で旅行に行ったことに腹を立てた主人が、 次郎冠者をつれて太郎冠者の家へ行く。 次郎冠者、主人が太郎冠者を呼んでも、 太郎冠者は留守だと答えるので、 平家節、小歌節、踊り節、で呼び、答え合う。 最期には興に乗って3人とも踊り出し、 遂に太郎冠者は主人の前に姿を現してしまうというもの。 おそらく萬斎氏の演出なのだろうと思うが、掛け合いと、 舞台上のスペースの使い方が素晴らしい。 掛け合いのペースがどんどん速くなり、 舞台上に3人が横一列に並んで踊るところは笑いの絶頂となる。 能のシテの櫻間眞理氏は面をつけての演目だったため、 そのお顔を拝見できず。これはもう一度、櫻間眞理氏の能を見なくては・・・。 楽しんだ後は、横浜のお決まりお食事コースである中華街へ。 お粥を堪能。 脇正面の席だった母の友人から聞かれた。 「萬斎さんのなまずの衣装も素敵だったけど、 次郎冠者の衣装も素敵だったわね。 あの柄は近くで見るとどんなだったの?」 ・・・。覚えていません・・・。 「質問が悪かったわね〜。やっぱり萬斎さんしか見てないわよね〜。」 見所失格な私。 -
|
|