一番しっくり - 2003年02月05日(水) 一昨年のちょうど今頃、着付けを習い始めた。 着付け教室へ行ったのではなく、母が選んでくれたカメリアの小紋を買った呉服屋さんで、教えてもらった。 初めての着物でのお出掛けは、祖母のウールの着物をきて広尾のビストロへ食事に行った。 それがね・・・。 まだ着付けの練習を始める前だったから、とんでもない格好で出掛けてしまったのだ。 母が、多少ならわかる、ということで着てみたのだけれど、左前?右前?どっち前?ってな感じ。 できあがった姿は、なんと、長襦袢が左前、着物が右前、というとんでもないものになってしまった。 知らないとは本当に恐ろしい。その時、エスコートしてくれた方が、着物を知ってる人じゃなくてよかった。 後日、そんな話をおがわやの女将さんにしたら、 「かわいそうに。ちゃんと教えてさしあげます!」 と母は言われたそう。 その後すぐに練習が始まり、 これまた無謀にも、練習二回目にして高校の同窓会へ着物で出掛けた。 でも、帯は自分で結べなくて、着物だけ着て、 おがわやさんに駆け込み、文庫結びをしてもらったんだけど。 たいした着崩れもなく帰ってきたから、気分がよかった。 一通り着られるようになってからのおでかけは、4月に入ってから。 ものすごく恥ずかしかったのを覚えている。 今までに味わったことのない、恥ずかしさだった。 嬉し恥ずかし・・・とは、こういう気分なのね。 朝からまる一日着ていて、帰ってきてからも脱ぎたくなくて、 鏡の前であれやこれや動いてみたりした。 すぐに脱ぎたくないのは今でもそうだけど・・・。 最初は、何がいいとか、どんなものが好きとか、全くわからなかった。 何が地味で、どんなものが派手なのか、それもピンとこなかった。 普段に着られるようにと誂えた紬も、母が選んでくれた。 帯はおがわやさんが選んでくれて、 それに合わせて、裾回し、半襟、帯揚げ、帯締めもそろえてもらった。 それはとてもしっくりくる一揃えになってしまい、しばらくの間は、 コーディネートを変えることができなかったくらい。 今日は、その最初の紬で。 くすみのある深緑色がベースになっている格子。 祖母は仕立て上がったこの着物を見て、 一言「こうといね」と言った。 地味ということだそう。本日の帯は、祖母のもの。 祖母のものと言っても、彼女が締めていたわけではなく、 私と母に、と博多織りの帯を何本が買っておいてくれた中の一本である。 この祖母が用意しておいてくれた帯のおかげで、 少ない着物達が喜んでいる。 着物一枚に帯三本というぐらいだから。 帯揚げは最初に合わせてもらったもの。 ピンクの小さい絞りが桜みたいに散っている。 帯締めは、撫松庵の絞りの丸ぐけ。 我が丸ぐけコレクションも着々と増えている。うれし♪ この紬には、芥子色かたまご色の半襟を合わせることが多いので、 白い半襟がとても新鮮。 でも横着してないで、今度はちゃんと合わせて縫いつけよう。 帯は花文庫にしてみた。 帯芯をいれずに、かがってあるだけだけなので、とても結びやすい。 帯枕使用の文庫結びなんだけど、半幅じゃないので、 この方が形がしっかりきれいにできると思う。 早く、コートや道行きなしで出掛けられる季節にならないかな。 ちゃらちゃら見せびらしながら歩ける季節に。 -
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