Spilt Pieces
2012年03月20日(火)  自己愛
職場の隣の席に座っている人が嫌いだ。
30人以上もいる職場なのに、女性は私たち2人だけ。
逃げ場がなくて、うんざりする。

第一印象は非常にいい。
こんなにいい人がいるのかとさえ思うほど。
私も、一ヶ月近く騙されていた。
騙されていた方が楽だったんだろうか。
彼女の本性に気づいてから、早1年半。
我ながら辛抱強いなあと思う。

見た目も華やかで、人も羨むような状況で暮らしていて、それでもなぜ、あんなにも精神的に不安定なのだろう。
自分、自分、自分、と、叫んでいるかのようにも見える。
私は不幸と繰り返し、誰の話も聞かない。
その割にストーカーのようだ、と、感じる。

小学校まで遡って自分の「トラウマ」を話し続ける。
他人の幸せには非常に不快な顔をする。
けれど話は振ってくる。
「ねえ、最近何か楽しいことあった?」
そしてこちらが答えると、「いいわね、あなたは恵まれていて。私なんかね」と、延々不幸自慢。
話していて、とてもつまらない。

「お会いできて嬉しいです〜」と、猫なで声で話したかと思えば、相手がいなくなるとすぐに悪口。
自分はこんなに頑張っているのに、相手が悪いからうまくいかない、というような話をもっともらしくし続ける。
ちょっとでもこちらが反対の意見を言うと、ネチネチと厭味。
それなのに、自分が反対の意見を言いたいときには遠慮なし。
夜、長文メールが来ないことを願いながら、彼女の機嫌が悪くならないように帰らせることに尽力せざるをえない。
仕事が進まない。

きついのは、周りのあまり彼女と関わらない人たちが、彼女に対して好感を抱いているという点。
私が誰かと仲良くしていると、根堀り葉堀り尋ねてくる。
嫉妬が顔に現われているのか、ベースの顔はかわいいはずなのに、歪んで見えるようになってきた。

いつもお金の話をする。
夫の友達の自慢を、まるで自分のことのように繰り返す。
「すっごい」「でも」「やっぱり」が口癖。
そして粘着気質。
どれだけ面倒くさいんだろう、と思う。

子どものことを愛していると言いながら、保育園のお迎えには数時間遅れていくことが多い(しかも連絡なしに)。
他の子どもたちが帰った後だから事務室で待たされていたとのこと、それなのに、「私の子どもをそんな扱いする保育園は、人の心を持った人がやっているとは思えない!」と、激昂していた。
モンスターペアレント、って、いるんだなあと、冷静に思う。

色んなことに関心を示しているフリだけは得意だけれど、全てを自分の話にすり替えて、自慢と不幸自慢と自分は有能アピールにばかり時間と力を注いでいる。
上司への強烈なアピール。
私が言っていないことを、勝手に周りに振りまく日々。
一体、何が楽しいんだろう。
最終的に虚しくならないんだろうか。

彼女は気分にムラがあって。
頼んでもいないのに何か差し入れを買ってくる日もあれば、朝一から前の週にあった出来事をしつこく話し続けてくる日もある。
男性と話すときには舌足らず、私と話すときにはやたらと流暢。

彼女が以前勤めていた職場で、年に一度くらい異動させられたのだと言っていた。
私が優秀だから、上司が自分の異動の度に私と連れていったのだと。
そんなことを自らアピールする時点で、人間性を疑ってしまう。
そして今はこう思う。
その上司は、きちんと分かっていたのだ、と。

おそらく彼女にとって、特定の誰かとこんなにも長い時間一緒に仕事をしたことはないのだろうと思う。
私が最長記録に違いない。
だって、普通は耐えられない。
私の前任者は、半年一緒にいただけでもう限界だと言っていた。
(その前任者は、転勤で今は少し離れた部署で働いているが、よき理解者として私を支えてくれている)
私って根性あるんだなと台所で食器を洗いながら自画自賛していたら、隣にいた夫が「毎日愚痴を聞いて毒出ししてあげている俺の功績も認めてね」と、にっこり。
ああ本当に、一人で戦える相手ではない。
いつもありがとう、と思う。

ただの性格がおかしい人かと思っていたら、インターネットで「自己愛性人格障害」の特徴を見つけて、あまりにも一致しているのでびっくりした。
前任者と夫に話をしたら、「あなたが書いたの?」と尋ねられたほど。
人口の1%もいるんだ…こんな人。
ぐったり。

ただ、ぐったりする反面、何となくすっきりしたのもまた事実。
相手は本当におかしい人なんだ、と思ったら、ちょっと気が楽になった。
日々の苛々や疲労感は、別におかしいことじゃない。

対策方法は「逃げること」とあった。
それを聞いた夫が「もうそろそろ辞めたら?」と、またいつもの台詞を言った。
仕事、給料をもらうためのもの、と、割り切ることも可能といえば可能だが、子どもが欲しいと思っている状況ゆえ、もし今授かったら胎教によくないということを心配しているらしい。
うーん、まあ、確かに。

理由なく辞めると言ったら、スッポン並にしつこい彼女のことだから、鬱陶しいくらいまとわりついてくるに違いない。
仕事を辞めたら、彼女の携帯番号は拒否するために残しておこうと思う。

ただまあ、いい勉強になっているかと。
いいのか悪いのか、段々強くなってきた今日この頃。
まともに会話できる人、というだけで、相手のことを大好きになれそうな自分がいます。
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