Spilt Pieces
2010年06月19日(土)  ゆっくり
数年前から夫が地域のお祭りに参加する
踊りチームに所属している。
「さとにも友達ができるように」と、
春から一緒に合流させてもらっている。


ノリがよくて、サバサバしていて。
排他的な雰囲気も全くない。
とてもいい人たちの集まりなので、居心地がいい。
自分が素を出せていないこと以外は。


「大ネコかぶっているんですよ」
さっき、夫がみんなの前で私を指差して笑った。
なんてことを言うの、と、口では言ってみたものの、
ありがたいなあと思った。
私は、何度「出会い」というものを経験しても、
ずっと「オートネコ」の状態が抜けない。


オートネコ。
ネコをかぶる気などさらさらないのに、
初対面で緊張すると勝手におとなしい自分を
演出してしまうこと。
また、時間が経って慣れてくると、
かぶろうと思ってもかぶれない。
自分の意思とは無関係に猫かぶりをしてしまう。
その結果、「騙された」と言われる。
もう耳にたこができた。


私は顔が母に似ている。
とてもおとなしそうに見えるらしい。
その上、最初はオートネコのせいで、
顔と行動が一致して見えるとのこと。
性格は父そっくりなので、どうにもこうにも。
黙っている、ということが苦手だ。


出会ってすぐの頃、
今まで何度挑戦してもだめだったにも関わらず、
素の自分でいようとして毎回葛藤する。
こうじゃない、本当はこう話したい…。
でも、知らない人ばかりの空間だと、
何だか怖くなってしまって口を開けない。
気のいい人たちばかりの集団だと分かっていても。


その結果、中途半端に自分を出そうとして、
「変わり者」と言われること多々。
言葉に一貫性を保たせるのが難しくなってしまう。
黙っていたはずなのに、遠慮をしていたはずなのに、
気がつくと辛辣な意見を喋っていたり。
どっちなの?と、周りは思うのだろうなと、悲しい。


「焦らなくて大丈夫だよ。
ゆっくりで大丈夫だから。
素のさとも受け入れてくれる場所だと思うけど、
それが最初からでなくても問題ないよ」
夫はニコニコしながら言う。
私の短気をよくご存知のようで。


焦らず冷静に…。
でもね、だんなさん。
そんな冷静な私だったら、
あなたのように温厚な人と結婚していないのでは?
じたばたしている私をさりげなく支えてくれるから、
私たちのバランスは取れているのよ。

…まあ、冷静になれないことへの
言い訳ですが。
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