Spilt Pieces
2003年02月17日(月)  映画
朝が苦手な私が珍しく、友達と待ち合わせて映画館へ朝一番の上映を観に行った。
映画の名前は、「戦場のピアニスト」
今テレビでもたくさん宣伝をやっている。


私は、映画館だろうとどこだろうとよく泣く。
以前「スパイダーマン」を観ながら号泣していたら友達に笑われた。
こんな私が、今回の映画で泣かないはずはないと思った。
宣伝を見るだけでも、私は泣く要素はたくさんあるかに思えた。
だから開演前にハンカチを用意して膝に乗せておいた。


だけど結局、涙なんて一滴も出てこなかった。
泣いてそれで終わり、と、誤魔化していいようなものではない気がした。
ただ、背筋を何かが逆なでしているような感覚だけ。
「どうして」
この言葉しか思いつかなかった。
上演中も、満席のはずの客席はとても静かだった。
いつもだったら多少は聞こえるはずの飲み物を飲む音やお菓子を食べる音が、あの長時間ただの一度も聞こえなかった。
上演後、すぐに聞こえるはずのざわめきもなかった。
とにかく静かで、次回上映を待っている人たちのいるロビーに行って初めてスクリーンから帰ってきたような気さえした。


帰りにふと思ったこと。
「日本はああいう映画作らないんだろうか」
遠くの国のことには案外関心があって、自国がしたこととなったらてんで無関心な人が多いような気がする。
今日観た映画のような歴史をなかったこととされたら誰もが憤慨するだろう。
だけど、今自分たちは無関心という暴力で、たくさんの傷ついた・傷つけた人たちを放置しているのかもしれない。


人間は、天使にも悪魔にもなれるのだと改めて感じた。
そして結局のところ、それら全ての感情を支えているのは、形こそ違えど「弱さ」なのかもしれないと。
国家の単位ではなくて個人の単位で考えた場合に、どの人が絶対悪だなんて誰に言えるだろう。


形だけの「平和」に安穏とし、言葉で「戦争」を言うのは容易。
そんな世の中に対する警鐘のような気がした。
「感動した」なんて言って終わらせちゃいけないこと。
褒めるのは簡単、けなすのも簡単。
でもきっと、この映画が求めているのは批判どころか賞賛ですらないと思った。
だってただそれだけの動機でどうしてあそこまで描けるというのだろう。


観ていない方、よかったらぜひ一度観に行ってみて下さい。
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