Spilt Pieces
2001年09月18日(火) 
季節はずれのツクツクホーシが鳴いている。
鳴いているのか、泣いているのか、これが最後とばかりに大きくなるセミの声は、秋の風に乗って、私の鼓膜へと響いてくる。
暑くもなく、涼しくもなく、やわらかい風が夏の終わりを告げる。
私は、空から見ればちっぽけなこの世界にとらわれて、ここから出ることもできない。
この風も、景色も、きっとあと一瞬で消えてしまうであろうに、切り取ることも抱きしめることもできない。
消えていく。
一瞬、一瞬。
それはあまりにも刹那的で、私は目を細めてそれをみる。
そして一種の懐疑性を抱いたまま、その永遠に身震いする。
記憶は曖昧で、そして永遠で、そんな季節を重ねながら、私は年をとっていく。


時間は流れていく。
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