(SleepWalking)



珈琲色の夢を観る
 
雪の降る赤を揺らしては音を棄てるように耳を塞ぐ
存在しない両手を結ぶ空を撫ぜる
小さく囁く風を呼んで
くちづけて水を飲む

消えてしまったものは今でも
忘れられないままだから
けれど記憶だけは欠けてしまうから
もう失くしてしまわないように守っている
新しい夢など見ない

腐って淀む景色と濁った珈琲のある風景
そこにはなにが在ったのだっけ?

2009年11月08日(日)


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