(SleepWalking)



あえない
 
刻一刻と迫ってくる桜の季節が
怖くてたまらない
その下には死体が埋まっているのでしょう
もしかしたら
誰かのいとしいだれかが


吸い上げては暖かく頬を上気させて
我が我がと咲き乱れる
巡らせたのは死と狂気だから
風に撃たれて落ちてゆく
隣の枝と手を繋いでみる
儚いちからだけど


さよならを告げる時間を
どうか与えてください
愚かでちいさなこのからだに
彩る温度に酔いしれている
動かない脚をその淵に引き寄せて

2007年03月10日(土)


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