(SleepWalking)



緑咲く
 
薄汚れた運河をすべり
流れ込んだのは見知らぬ街で
艶やかな色の中に静かな
緑が咲いていた
真っ白な服に
かなしみをのせた街
和らげているのはこんな
静かな色なのだろう
いつものように薄く笑うあのひとと
同じように笑うひとを見つけた
張り付いたのではない
長い努力の末に
見出した笑顔だ
それにさえ癒されるというのだから
にんげんとはなんと
勝手な生き物であるか
さわさわとかすかに歌う
小さな声はきっと
緑を知っている

2005年05月09日(月)


にほんブログ村 散文詩

 
 
 
 

back  next  chronological  latest  index

芳   Mail  My Favoite