(SleepWalking)



雨ふかく
 

冷えないカラダを抱き締めて


消えない傷を塩水にさらしたまま


あたしは息をしていない


していない


死んだ命がいまここに


ふうわりと浮いているふしぎ


水海月や海蛍や


そんなものもいっしょに


漂っているふしぎ


あの日も雨が降っていたから


今日も同じように浮かんでいる





揺れている


雨を腹に溜めて


いつかは沈んでしまうのだろうか


傘も


記憶の海に沈められたカラダのように


ふかくふかく


おちて


雨に塗れ


しおに傷付けられながら。

2004年03月30日(火)


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