(SleepWalking)
邪悪
はじめてのキスは確か
口止めの手段だった
了解も抵抗もかなぐり棄てた
ただ貴方を殺していた
全身から舞う毒で
だから貴方はあたしを
蛾でなくむしろ蝶であると言って
泣きもせずに切り刻んだのを
うっすらと思い出し始めている
あたしの身体はいつも貴方を殺す
あたしの心はいつもあたしを殺す
死んでしまえば良い
要らないものは皆死んでしまえば良い
貴方は世界に必要のない私とともに
ただの犠牲者として連れ去られるのだ
あたしの最後のかなしみのために。
2003年11月26日(水)
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