再びスタジオに行ったあと新木場へ。
この2日を参戦とカウントすれば、これで述べ49回目のELLEGARDENのライブになる。
駅から会場周辺まで、昨日にもましてダンボールで客引きをする面々。
なんかなー、違う気もするんだけど…どうなんだろう。
俺だって自分の分すらもってねーよ、と心の中で毒づきながらコースト前まで行く。
どうせチケットを譲ってもらうとかそういうのは無理だろうな、と諦めてはいたので開演を待ちつつフラフラと。
まあ待つ意味もないのだけど。
と、某知り合いのMがいたので少し話をしつつ。チケットを保有する彼は去っていきました。
そのままガードレールに座っていると雨が。しっかりと予報を確認していたので傘(100均で購入)を差しつつ待つ。
と、横に座り込んでいる女の人は傘を持っていない様子で、小さいハンドタオルを頭に載せているだけ。高さにギャップがありつつ割と近いので半分くらい(勝手に)傘の範囲にいれてみたり。
したら微妙に気づかれたり、といった感じ。
だんだんと雨が強くなってきたので、カッパ(100均で購入)に切り替え、余った傘を横の人にあげる。
荷物を傘の下においてどっか行ってしまった人の傘が風で飛ばされる度に直している横の人。笑
暇だったのと、一人の退屈さに微妙に話しかけてみる。
んで、なぜかその後同行、みたいな感じ。聞くとその子の実家とうちの親の実家が非常に近所ということが判明し、奇縁を感じたりしつつすごしていると、階段前の柵付近でなにやらスタッフさんが呼びかけている。そしてすごい人だかり。集まってみるとどうやら敷地内に入れる模様。
結構な人の数が大盛り上がりしつつ、「前の人に触れないように進んでくださーい」という賢い誘導もあって、問題なく敷地内へ移動。
ドアを開け放って、中の音をロビーで中継して聞かせてくれた見たい。
時刻は大体20時17分。耳をそばだてると「Pizza Man」だった。
みんな静かに聴きながら飛び跳ねたり手を上げたり。妙なドM空間がそこにはあった。
しかし要所要所でこらえきれずに叫んだり飛んだり。でもジャンプの着地の音がよく聞こえるという不思議な感じだった。
だんだんと雨も強くなってきて、雷も光って鳴ってと忙しない。
My Favorite Songやサンタクロース、Middleのウブさんのソロ。
見えないけど、今まで見たあの光景は自然と瞼の裏に浮かんできた。
フロアでモッシュとダイブの中でぐちゃぐちゃになってれば泣いても何しても回りにわかんないけど、あの場だと泣いたらバレバレなので、雨もっと強くなればいいのに、と思っていたら本当に強くなってしまう。
さすがにそろそろ止めよ、と思いつつ止む気配は無い。
稲光の筋が綺麗に浮かび上がる雨空。「Sex And The City」の看板を照らす上向きのライトに雨水がたまり、雨が落ちるたびに水の模様が光に照らされて浮かぶ。
聞こえてくるのは彼らの歌声。
高架線が終わると、いよいよ激しさだけが残る後半戦へ突入していった。
外では静かに暴れるオーディエンス。
曲が終わるたびに拍手が起こって、そのせいで次の曲の頭が聞こえない。
Make A Wishで終わったと思ったライブは、実はジターバグで終わったらしい。
スタッフさんから「アンコールの詳細はスタッフでもわからないので、もし終演の場合は客出しの邪魔になるのですばやく出て行くと約束してください」といった要旨のアナウンス。
少し時間が過ぎて、薄く聞こえてきたのは金星。
この歌詞は、心に刺さった。
そして(Can't Remember)How We Used To Be。
少しの間があって聞こえてきたのはInsane。細かい情報とかはシャットダウンしていた自分にとって、なかなかに意外な選曲。
けど、深い。雷雨の中、もれ聞こえる音楽に必死でしがみついていたあの500人(くらいは居たと思う)は、まさにinsaneだろうと思う。
月で、しゃがむ。
だんだんと立ち上がっても、激しく爆発することは出来ないけれど、それでもしゃがんだ。
終わっちゃうのかな、どうなんだろう。だんだんと現実感が溢れてきてなんとも言えない心持ちになりつつも、聞こえてきたのはsurfrider associationだった。
今だ、携帯なんてぶっ壊してボードに乗れ!ってだけの歌。
Bring Your Board!というアルバムの1曲目で、ELLEGARDENというバンドの方向性の転換を2ndアルバムにして決定付けたこの曲が、この日最後の曲になった。
ライブが終わって、客が出るよりも早く誘導で道路に出される。
同行してくれた女の人と、しばらく待ったけど、きっとアフターパーティで馬鹿騒ぎしてるんだろう彼らを見ることはついぞ叶わなかった。
次はいつ会えるんだろう。
いつ、というか会えるのだろうか。
ライブハウスの中で起きていたことを、身をもってしれなかった自分にはわかることが余りにも少ない。
正直、活動休止が発表された時点で、彼らの性格や考え方からして長い休止になるとは全く予想も何もしてなくて。
けれど日を追うにしたがって、そして実際に全てが終わってみてから、その奈落の深さに愕然としている自分に気づいた。
そして、やっぱりこのバンドが好きなんだという事実を強く再確認させられた。
しばらく待ってはみたけれど、自由になれない人間は早々に去るしかない。
報われるのならば現状なんて全て捨てても良いんだけど、確信が無い自分にはそんなことは出来るはずもなく。
同行してくれた女史といつかの再会を祈りつつ駅で別れ、帰途に着いた。
いつもなら心地よいであろう疲れはどこか寂しくて、Make A Wishの入りの歌詞がいやに頭にこびりついた。
昨日はどこか楽しかった。祭りの余韻があったけれど、今日は無かった。
あのバリケード越しの、フロアまでの絶望的な距離感が、昨日は感じずにすんだ圧倒的な敗北感とたった少しの達成感をくれたからなんだろう。
そんな日。
セットリストfrom誰か
01.Space Sonic
02.Fire Cracker
03.モンスター
04.Pizza Man
05.スターフィッシュ
06.My Favorite Song
07.サンタクロース
08.虹
09.No.13
10.Middle Of Nowhere
11.Missing
12.高架線
13.BBQ Riot Song
14.Supernova
15.風の日
16.I Hate It
17.Salamander
18.Red Hot
19.Make A Wish
20.ジターバグ
EN1
21.金星
22.(Can't Remember)How We Used Be
EN2
23.Insane
24.月
EN3
25.Surfrider Association