2006年01月17日(火)  終電過ぎて始まって。
 
「国家試験が終わってからね」という双方の暗黙の了解を破ったのは双方の意見が一致したからであって、いきなり何を言っているかというと、今日が新しい恋人と交際が始まった記念日になったからである。
 
いかんなぁ。こんな時期に恋だの愛だのにうつつを抜かしてちゃいかんなぁ。と思いながら勉強をしつつ二人の距離を縮めるという二兎追ってニ兎捕まえた上にキスのオマケつきみたいな状況になったのは、新しい恋人は、僕が今月末に受験する現役の精神保健福祉士であって、一緒にいると必然的に試験問題を出されてしまい、繋ごうとしていたその手は、腕組となって頭を悩ませ続けるのである。
 
国家試験が終わってから、国家試験が終わってから。そう思っていたはずなのに深夜1時に彼女の部屋。勉強が終わってさぁ帰ろうと時計を見ると終電過ぎてる。終電に気付かなかったのではなく、終電に気付かない振りをしていたという思惑の一致。恋愛ってのは演技の連続なんだなぁと思う所以である。
 
「こんなケジメのない恋愛したの初めて」
 
深夜1時のリビングで、キスをしたあと彼女は笑った。国家試験を控えながらもお互い惹かれ続けていった。国家試験が終わってから。二人に課せられた決意を、自らの意志で崩されていく脆さ、儚さ、そして嬉しさ。
 
手を繋ぐよりも、愛の言葉を呟くよりも先に、僕たちは深夜1時のリビングで、静かに唇を重ね合わせた。ケジメのない恋愛。僕らしい言葉ではある。終電はとっくに過ぎた。二人の長い月日が始まった。
 

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