2005年11月11日(金)  根無し草。
 
11月6日から鹿児島に帰郷したことを書き始めて今日で5日目になるが、実際は3日間しか帰郷していない。ただ帰郷するとなると、同じ日にいろんな人と会ったり、いろんなとこに出掛けたりしなければいけないので、とても3日分の日記では収まらない。
 
9月に家を購入して、その家も見に行った。母親1人が住むには少し広いと思うが、近くに住む妹達が子供を連れてやってくるにはちょうどいい広さだと思う。母は12月末に今の仕事を辞め、ここに引っ越すらしく、家の中はまだ何もなく、いくつかのリフォームを注文したので、畳がまだ入ってなかったり壁紙が剥いであったりと、まだここに母が住むという実感はないけれど、来年の正月に再び帰郷したときは、ここが僕たち家族の実家になる。新しい実家になる。
 
昔、もう書くのも面倒臭いくらいいろいろなことがあって、実は母が今住んでいる実家は、実家ではない。僕は、そこに、住んだことがない。妹たちだって、そこに住んだことがない。まあいろいろあって、実家であって実家でなかったのだが、今度こそ本当の実家。実家がないということ。人は帰る場所がないという不幸を考えたことがあるだろうか。僕はずっと考えていた。帰る場所が欲しかった。今まで帰る場所がなかったから、鹿児島にいても東京にいても、大して変わりがなかった。
 
でも今度から僕には帰る家がある。僕が買った小さな家がある。母が住み、妹が訪れ、子供が走る家がある。十数年の根無し草の生活が、ようやく終わろうとしている。家族で迎える来年の正月。周りの人たちが当然のように過ごしている正月の風景。それをようやく手に入れる。
 
不幸な経験だったら誰にも負けない。でも、これからの幸福な生活にだって誰にも負けない自信がある。僕は負けない。これからも、絶対負けない。
 

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