![]()
| 2005年09月12日(月) ちゃんとなおして。 |
| 先日、患者さんに「その衣類はベッドの中に棚になおしてください」と言うと、患者さんは「は?」という言葉そのままの顔を浮かべたので、あれ、耳が遠いんだっけな。と、もう一度「それ、棚に、なおしてください」と言葉を切って大きめな口調で言ったのだが、患者さんは更に「はぁ?」って顔をして、なぜか棚を開けたり閉めたりしている。 ヤバイ。痴呆の症状が出てきたのかしらと、ハラハラしていると、背後から看護婦さんが「その着替え、棚の中に片付けて下さい」と、同じことを言う。すると患者さんはなんだそういうことかという顔をして、衣類を棚の中に入れた。 なんで僕の言うことがわかんなかったのだろう。どうしてすぐなおしてくれなかったのだろう。と、看護婦さんに訊ねると、あなたの言っている「なおす」という表現は方言だから私は長崎出身だから意味がわかったけど、東京の人に言ったってわかるわけがない。と言う。な、な、なおすが方言だなんてー! し、し、信じられない! と、僕は怒りと羞恥で病室を飛び出し、隣の病室に入って、患者さんに「ちょっとそのシャツ、着ないのだったら棚の中になおしてください」と言うと、やはり患者さんはオロオロしだしてシャツを表にしたり裏返したりしている。 ヤバイ。本当に通じていない。どうしてなおしてくれないんだ。なおすはなおすだろう。ていうか東京に来てもう数年経つのにどうして今まで気付かなかったのだろう。さっきの看護婦さんみたいに、言葉の誤りを即座に注意してくれる人がいなかっただけなのかもしれない。今まで何十人もの人間に、おかしなことを言う男だと思われていたのかもしれない。キー。恥ずかしー。 ちなみに鹿児島では「今からそっちに行く」ということを「今からそっちに来る」と言う。だから彼女に電話で「今からそっち来るから待ってて」と言っても全く通じないどころかかえって混乱を招いてしまう。ということを前付き合ってた彼女から言われたことがある。よって現在も頭の中では「今からそっち来るから」って言葉が浮かんでも、「今からそっち行く」と、頭の中でいちいち変換しなければならないので非常に煩わしい。面倒臭い。故郷に帰りたい。で、これから「なおす」を「片付ける」「しまう」などに変換していかなければならず、生きていると煩わしいことばかり増えて、結局部屋の中に閉じこもってこういう日記ばかり書いている。 |
| 翌日 / 目次 / 先日 |