2005年07月31日(日)  僕は香川で3度死ぬ。
 
彼女は今年の春に運転免許を所得したばかりで、若葉マーク輝く愛車に乗って私が香川を案内してあげるなんて張り切ってるけど、「赤だよ……。赤。……赤赤赤赤だって!」と、3度ばかり信号無視しようとする彼女に声を張り上げており全く生きた心地がしない。
 
いくら初心者だからと言ったってこんなに信号無視をしようとするかというと、彼女は私が案内すると言ったにも関わらず、香川の道に不案内で、「お前、道あんまりわかってないじゃん」と言われることを未然に防ごうとして顔は平然を装い、頭の中はパニックに襲われ、右に曲がるか左に折れるか真っ直ぐ進むかということばかりに捕われ、信号という存在が視界から消えるというか、信号の色の認識が脳内で処理できないという状況に陥るという、自分のプライドを守ろうとするがために二つの命を同時に落とそうとするこの矛盾した行為。僕は香川で3度死にました。
 
しかし彼女の信号無視を忠告することはなかなか困難を要し、最初の信号無視はエヘッゴメンネなんつって素直に謝ったけど、信号無視に対して多大なる危機感を覚えた僕は、信号が赤になるたびに「赤だよ。赤だよ。ちゃんと止まってよ」と言わなければならず、彼女はそんな忠告に対してもプライドを傷つけられるらしく、「わかってるもん! うるさいわね!」なんて怒っている。わかっているならいいけれど、多分わかってない時もあると思うので、やっぱり僕は信号が赤の度に「赤だよ赤だよ」と、彼女に怒られながらも信号の色を彼女に報告する。そんな努力をしているのに僕は香川で3度死にました。
 

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