2004年10月19日(火)  絶対誰にも言わないで。

今日職場で「絶対誰にも言わないで」という話を聞いて、絶対誰にも話さないようにしているのだが、僕はどうも昔から、絶対誰にも言わないでほしいという話をよく聞かされる。
 
まぁ、「絶対誰にも言わないで」なんて話は、既に絶対誰かに言っているであろう話なので、僕だけがその人とある種の秘密を共有してるような、そんな感じにはなかなかなれないのだけど、問題は何故僕に言ってくるのかということである。
 
しかし理由は簡単。人は皆、王様の耳はロバの耳と叫ぶことのできる井戸を探し続けているのだ。井戸の底がどこかの井戸に繋がっていたりすると、秘密が漏れてしまうので、完璧な井戸を探そうとする。完璧な井戸である条件はただひとつ。周囲に無関心であること。秘密を伝えても周囲に何の影響ももたらさないもの。職場でいうと、僕のような存在なのである。
 
どうせこいつに言ったってどうにもなりゃしないんだけど。そう思いながら人は皆、僕に「絶対誰にも言わないで」と、深刻な顔をして、僕にしてみれば「絶対誰かに言ったってどうでもいい話」を聞かされる。だから僕はその秘密をすぐに忘れてしまう。自分の関係のないことに無関心であることの利点は、どうでもいい秘密を共有しなくてもいいということなのかもしれない。
 
僕に植えつけられた「絶対誰にも言わないで」の種は、芽を出して、花を咲かせ、その種子を他人にまきちらすことなく、今日も静かに僕の中で、その小さな命を遂げることになる。「絶対誰にもいわないで」の種は、他の人の心にも飛びたいだろうけど、というか、その行為こそが、「絶対誰にも言わないで」の目的だろうけど、僕はそんなこと知らない。今日聞いた秘密すらも既に忘れてしまっているというのに。
 

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