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| 2004年08月17日(火) いつものように。 |
| 職場で総婦長さんにばったり会って、というのは少し嘘で、廊下を歩いていたら角から総婦長さんが出てきて、まだその距離8メートルくらい。あぁやだなぁ。総婦長さんが歩いてるなぁ。会ったらまた何か言われるんだろうなぁ。よってゆっくり歩く牛歩のように。このペースで歩けばあっちの廊下を歩いてる総婦長さんとは入れ違いになるはずで、入れ違いになった瞬間に心持ち歩速を上げればいいわけで、総婦長さんの姿が見えなくなったら全力で病棟に帰ればいいわけで、って総婦長さん立ち止まって待っているー! というわけで、あからさまにUターンできない僕はそのまま総婦長さんの立っている方向へ。やだなぁ。今日は何言われるんだろうなぁ。と、ここで初めて気付いた振り。あ、総婦長さん、こんにちわ。 「こんにちわ」 「ごきげんよう」 「ちょっと待ちなさい」 「えっと、仕事中なんですけど」 「当たり前じゃない」 「婦長さんに呼ばれてるんですけど」 「私は婦長さんより偉いのです」 「ごもっとも」 「ヨシミさん、職場の近くに引っ越したそうじゃない」 「えぇ。でもどうしてそれを」 「婦長さんに聞きましたよ」 「婦長さんは誰にでも言ってしまう」 「引っ越したということは、この職場に長くいるということですよね」 「いえ、長くいるというわけではなくて、ただその便宜性を追求した結果というか」 「屁理屈はよろしい」 「えぇー」 「ヨシミさんを開放病棟の看護師長にする話が出てるんです」 「ちょっと待って下さい。まだここに来て1年も経っていないんです」 「でも他の病院で主任の経験がおありでしょう?」 「おありですが」 「だったら安心して任せられます。ただ……」 「ただ?」 「ここにゆっくり腰を落ち着けるにはそろそろ家庭を」 「あ、えっと、あ! おーい! 栄養士のお姉さーん」 「はい栄養士のお姉さんですけど」 「僕は先日この栄養士のお姉さんに求婚して断られたのです」 「それは本当ですかヤマシタさん」 「本当に断ったよねヤマシタさん」 「すいません。求婚もされてないし私ゴトウです」 「そうだったねゴトウさん」 「名前も知らない人に求婚してはいけません!」 「そこの部分を怒るのですね」 と、かなりディフォルメされた内容だが、上記のような問答があって、病棟に帰って婦長さんにまた結婚の話されましたといつものように伝えると「それだったら私の娘がね」と、婦長さんもまたいつものように娘とのお見合い話を持ち出すので、ようやくそこで僕は心のシャッターを閉ざす。 |
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