2004年03月10日(水)  お粥と接吻。
 
未だ感冒治らず。疲労・倦怠感に支配された躯を引きずるようにして我が家へ戻ると、電気がつけっぱなし。あぁ、無駄な資源を使ってしまった。明日関東電力に謝りに行かなければと思っていたら、誰か立っている。「おかえりなさい」彼女が立っている。笑顔で立っている。「ご飯、できてるわよ」彼女はそう言って特製のお粥を差し出す。一口頬張り涙が出てくる。
 
「美味しいよ。美味しいから、結婚しようか」
「いやよ」
 
と、またもやあっさり拒絶。部屋を見渡すと、取り入れてベッドの上に投げてあった洗濯物がソファーの上に綺麗に畳まれている。パソコンの下のゴチャゴチャしたコードの辺りに絡まったゴミが消えている。書類、味塩、七味唐辛子、灰皿、喉飴などが散乱していたテーブルの上が片付いている。彼女の頬がうっすらと紅くなっている。
 
「ありがとう」
 
感謝の言葉が終わるや否やキスをする。風邪がうつるといけないので額にキスをする。今日はとある原稿の〆切日。ここ数日体調を壊しっぱなしだった僕は、今夜までにあと20枚の原稿を片付けなければいけない。しかし、このお粥のお陰で、綺麗になった部屋のお陰で、彼女のお陰で、20枚なんてすぐ片付くような気がしてきた。
 
「さて、と、原稿終わったらさ、結婚しよっか」
「いやよ」
 
と、これでもかといわんばかりに彼女はプロポーズを安易に拒絶するのだけど、この幸せは多分、一生続くのです。
 

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