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| 2004年03月01日(月) 観覧車。 |
| デートらしいデートといえば観覧車でございまして、ジェットコースターの類は平気なんだけど、観覧車怖い。昔書いたと思うんだけど、僕は意味もなくでかいものにただならぬ恐怖を感じるたちでありまして、意味もなくでかいものの代表格といえば奈良の大仏。あれ怖い。なんでこんなにデケぇんだよーありえねーよーちょーこえーと足が竦みます。飛行機もダメです。でかい。あと、風力発電のでっかい扇風機みたいなやつ。あれも怖い。浅草の雷門のでかい提灯も怖い。でも彼女と一緒なので怖いものも怖くないように振る舞わなければいけない。 「でかいね」 「ほら、ここに日本最大級って書いてあるよ」 「なんでもでかけりゃいいってものじゃないのにね。だから人間は愚かな生き物なんだ」 「乗りましょ」 「ちょっと待って。あの売店でポップコーン買ってこようよ。僕は別に食べたくないんだけどキミが食べたそうな顔してるからね。買ってきてあげる」 「またそんなこと言ってる。いらないわよ。早く乗りましょうよ」 「でかいねしかし」 「でかいでかい言って何が解決されるの。早く早く」 「ちゃんと手振ってね。写真撮ってあげる。手ぇ振らないとどこにいるかわかんないから」 「何言ってんの! あなたも一緒に乗るのよ!」 「なんだ、そういうことか。それならそうとちゃんと言ってくれれば」 「って観覧車乗るために今日ここに来たんでしょ!」 と言って手を引っ張る彼女。それにしてもでかい。日本最大級という言葉が僕の背中にのしかかる。怖い。小便行きたい。観覧車なんて何年振りだろう。帰りたいなぁ。でも今更乗らないって言うと彼女怒っちゃうだろうしなぁ。彼女、日頃は温厚なんだけど怒ると怖いんだよなぁ。目が変わる。目が変わるんだよなぁ。 「わーいわーい」 「おっ、おっ、おい! 揺らすなって! ちぎれるって!」 「わーいわーい」 「たっ、立つな! こっちくんな! バランスが崩れるじゃないか! 観覧車が片寄るじゃないか!」 子供のようにはしゃぐ彼女。このコは頭がいい子なので、きっと僕が恐怖におののいていることを見抜いているはずだ。下を見ると、いつの間にか歩く人が豆粒のようになっている。子供のように揺らし続ける彼女。子供のように喚き続ける僕。観覧車が頂上までまわった時、僕たちはキスをした。 |
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