2003年08月21日(木)  今日大学に提出したレポート。「肥満と社会病理」
都会に住めばパーソナルスペースが忽く失われ、街に出ても電車に乗っても見ず知らずの他人と身体が触れ合い、肩を寄せる機会も多くなり、袖触れ合うも多少の縁など悠々と申している暇などなく、都会の人々は常に何かに追われながら他人に肩をぶつけ、満員電車に駆け込み乗車をする。
 
その都会の風景に馴染んでいる、若しくは溶け込んでいる生活習慣病、その代表格である肥満は満員電車やエスカレーター、吉野屋の店内などで一際存在感を放つ。日本の経済を担うビジネスパーソンは、ファーストフードと化した牛丼を貪り、不景気やリストラなど過剰なほどのストレスに否応なく襲われ、パソコン等の普及によるデスクワークの増加で必然的に運動不足となる。「平成11年国民栄養調査」によると全世代の中でも30〜40歳代の男性の肥満の割合が高く、10人に3人が肥満であることが判明している。日本三景に天橋立、厳島、松島があるように、牛丼、不況、肥満はもはや日本の文化と表してもよいのではないか。

以上のことからこの年代は働き盛りであると同時に太り盛りということになる。摂取エネルギーの過剰と消費エネルギーの減少というアンバランスが体系のアンバランスへ導くという悪循環。現代はもはや年齢とともに太ってきた人に対して「かっぷくがいい」「貫禄が出てきた」という言葉で形容してはいけない。肥満に戦々恐々している相手に「糖尿病」「高脂血症」「健康増進法」などの物騒な言葉を投げ掛けねばならない。

経済活動では売上を伸ばし、支出を抑えることで利益を貯蓄することができるが、エネルギーやストレスばかり貯蓄して、運動などの支出まで抑えていては身体的に不健全な経営だと言わざるを得ない。日本がこのような不況に陥ったのも成程必然的だともいえる。
 
現代の日本はマッカーサーが厚木基地に降立った時からアメリカナイズされているから肥満が増加する。だから和の文化を取り戻そうといってハンバーガーは控えて牛丼を食べようなどという考えは本末転倒であり抜本的に見直すべきである。現在の日本は株価の上昇も大切だが、健康づくりに対する自分の意志を持つことも大切である。肥満を不況や牛丼の所為ばかりせずに、なぜ太るのかという医学的な根拠をきちんと理解することが重要になる。

今後は遺伝子情報やヒトゲノム情報の活用によって、多くの病気が治療可能になるといわれている。それと同時に、肥満や生活習慣病などの日常生活に根ざした病気は、未然に予防できるという考えが一般的になってくるだろう。しかし勘違いしてはいけない。一部の人間は月に行ったことはあるが、まだ私たちは行くことができない。近くて遠い未来の話。大切なのは決して楽観視せずまず自分自身をしっかり管理すること。あとは狩猟民族の憧れもほどほどに、決して農耕民族の誇りと生活を忘れないことが必要である。

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