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| 2003年07月29日(火) 花火。 |
| 遠くで花火の音がする。僕はこの辺りの土地感に疎いので、どの辺りで花火大会が開催されているかわからない。散歩がてら花火が見えるところまで歩いてみようと8時頃外に出て1人で歩いてみたけれど、尺玉が破裂する音ばかりして一向に夏の大輪を拝むことができない。15分ほど歩いて来た道を引き返し、酒屋でビールを買って部屋に帰る。 もう何年も花火大会に行ってないなぁ。 「花火見にいこうよ」 「僕はいいよ。明日仕事だしね」 彼女がいる時は首を縦に振らないくせに1人になるとこうやって夜の道をとぼとぼと花火を求めて歩き続ける。歩きながら夏に付き合っていた女性を思い出す。皆、今は何をして何処にいるのかわからない。元彼女という概念が僕にはない。別れると、ただの他人になる。ただこうやって1人で歩いているときに時々思い出すくらいの存在になる。 部屋に戻ってからも絶えず花火の音が聞こえる。ベランダに出ると隣の部屋の女性もベランダに立っていた。 「花火やってますね」 「うん。どこでやってるんだろうね」 「私まだ日本の花火見たことないんです」 「僕も3年くらい日本の花火を見ていない」 「わ、すごい音」 「今の花火は大きかっただろうね」 涼しい夜の風を全身に受けて、耳を澄まし、夏の風物詩の音だけを2人で聴いていた。部屋に戻りビールを飲んだ。昔の彼女に電話をした。寂しいからじゃなくて、あの日に花火大会に連れて行かなかったことを謝ろうと思っただけで。 |
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