2003年07月21日(月)  酢酸ポリフェノール。
夜行バスっていうのは初めてなんです。青春ドリーム名古屋1号。もう青春もドリームも語れない年頃なんだけどね。青春且つドリームな若者に紛れて東京駅を午後10時出発。
 
「はい電気消しまーす」
 
早や。バスに動いてまだ数十分しか経っていないのに車内の灯りが全て消える。強制的に眠って夢の世界へ行くしかない。成る程。ドリームってこういうことね。
 
巨漢。僕の隣。ただでさえ狭い座席に巨漢が座っております。スーツを着て馬鹿でかいトランクを持っております。「携帯電話はマナーモードにしてください」とアナウンスがあったにも関わらずコンスタントに明らかにアニメ系の着信音が鳴り響き、場をわきまえない大声で話し出す。
 
「なんかさー。プレステ2の調子が悪いみたいなんだよー。うーん。結構。結構。いやー。ルパン買ったんだけどさー動かなくってー。うーん。結構。結構。いや、うん。失礼。これまた失礼」
 
と全然青春でドリームじゃない話をしている。オタクが。結構って何だよ。失礼て何だよ。あー。狭い。座席すごい狭い。2人並んで座るんだけど、その座席を4等分するとしたらその4分の3は巨漢のオタクが占拠してるんですね。で、窓際の4分の1のスペースに窓にへばりつくように僕が座っている。
 
しかもカセットテープのウォークマンでアニメの曲を聴いている。音洩れが酷い。酷いうえに臭い。汗が臭い。酢酸の匂いがする。絶えられない。青春を象徴するものが汗だとしたら青春ドリームって言葉は納得できるけど、多分、他の座席に座っている人たちはこんなに甘酸っぱい匂いは発していないはずだ。運転手さーん。すごい不公平なんですけどー。
 
午後1時。浜名湖サービスエリアで休憩。僕は浜名湖は神奈川県にあると思っていて、どうして神奈川でバスが停まるんだよ! 運行ルートとかどうなってんだよ! とひどく憤慨し、彼女に電話すると浜名湖は静岡県ということが判明。気を取り直し、悪臭防止の為にクールミントガムを購入する。
 
そしてバスの中でガムなんて無意味だということが判明。あれは口の中で楽しむものだからね、鼻腔に与える影響なんてこれっぽっちもないんだからね。口は爽快クールミントでも鼻は相変わらず酢酸アニメソングです。
 
で、眠れない。臭くて眠れない。頭がクラクラする。本当にこれは一大事だ。どうにかしなければいけない。と、名案。トラベル用の歯磨きセットがバックの中に。バッグの中に手を入れて、手探りで歯磨き個を指につけ、それをこすり合わせ、鼻腔の内壁に塗布。クールミントの香りが鼻腔に広がる。わぁいい匂い! 草原とか、河原とか、そんな匂い! 大丈夫! もう酢酸大丈夫!
 
眠れない。

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