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| 2003年07月03日(木) ホームシック。 |
| 2日に1回ほど前の職場の同僚や後輩から電話がくる。 「この前送った米と食糧届きました? いや送ってないけど」 「今日の試合一本もヒット打ってなかった! ムカついたから電話した!」 「先輩、先月のあのデータ、どのフォルダに入ってますかね」 「いつ帰ってくるんスか!」 「あ、来週焼肉パーティするんで来て下さいね」 内容はどれも他愛のないもので、重要な用件なんて一つもないけれど、僕にとっては彼らの他愛のない用件が、その一つ一つが心を揺さ振る。職場を去って3ヶ月。実はもう戻りたくなっている。 「本当に戻ってきたいんだ。ここにいたって何も始まらない」 「マジっすか! 僕の仕事全部先輩に譲りますから戻ってきて下さいマジで!」 「ありがたいね。仕事は多い方がいい」 「じゃあ僕の夜勤も譲ります。譲りたくないけど仕事は多い方がいい!」 「じきに戻るよ」 「お願いしますよ。また飲みに行きましょうよ」 小さなワンルームマンションのベランダに佇み、僕は涙を流しそうになる。意味のない会話だということはわかっている。自分で選んだ道だということも重々承知している。ここにいて何も始まらないなんてことはない。確実にこれから何かが始まるのだ。今はただ、休息しているだけで。 「通信大学の方どうっスか?」 「うん。ちゃんとレポート提出してるし、今年中に卒業できるよ」 「卒業したら戻ってくるんスよね」 「ああ」 「仕事すごい増えると思いますよ。自分から仕事増やすような資格取ろうとする先輩の気が知れませんね僕は」 「僕だってそう思ってるよ。だけどね、自分で選んだ道だからね」 「また飲みに行きましょうよ」 「それさっき言ったじゃん」 「さっき言ったけど確認してるだけっスよ」 「うん行こう。またベロンベロンに酔ってフィリピン人の膝の上で寝よう」 「んが。フィリピンバーはもう結構っス」 たった3ヶ月前の出来事なのに、全てが、全ての思い出が激しく心を揺さ振る。人はホームシックだなんて馬鹿にするけど、馬鹿にするけどね。 |
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