2003年06月28日(土)  26の初夏。
どうしようもない用事というものは大抵池袋であって、今日もどうしようもない用事で池袋へ。13時の待ち合わせを13時30分と僕が一方的に勘違いしてて、まぁいいじゃないか。30分くらいいいじゃないか。ここは寛大に対処してくれないかと願ったが駄目らしいので何もせずに駅へ戻る。つーか30分遅れただけだろうがよ! 人間がチッこいよ! チッこいチッこいチッコリッサ。ゴメンね。
 
と、電車の中。日曜の池袋駅構内という激戦区の中、運良く今日は座れました。お年寄りとか来ても譲らないよ。今日は疲れてるんだから。30分遅れて、その虚無感みたいなものに支配されてるんだから。僕の前に立っているのは5歳くらいの外人の子供。勿論お母さんも外人。超綺麗。超グラマラス。白いタンクトップにテニスシューズ。セントラルパークかっつの。
 
さて子供。外人の子供って子供のクセに英語喋んのな! と阿呆のような劣等感に苛まれつつ文庫本を開く。車内は満員。僕は座っている。子供は立っている。吊り革に届かないので電車と一緒に右へ左へ揺れている。吊り革つかめないくせに英語喋っている。喋り続けている。一言も翻訳できない。
 
電車は揺れるよいつまでも。ここは席を譲るべきなんだろうか。なんか子供がすごい憐れだ。ママを見上げてずっと喋り続けている。
 
「ママ、吊り革届かないっす」
「もうちょっと我慢しなさい」
「ママ、チョー揺れて辛いっす」
「だから我慢しなさい。家に帰ったらテンプラ作ってあげるから」
「スシ食いたいっす」
「昨日のおやつで食べたでしょ」
「じゃあテンプラでいいっす」
「だからもうちょっと我慢しなさい」
「わかったよママ。しかし日本の侍は冷たいっす」
「そうよねー。子供を前にしてのうのうと座っているこのヒゲ侍。座席譲ってくれたらいいのにね。とても気分がファッキンだわ」
「ファッキンっす」
「サノバ」
「ヴィッチっす」
「わぁ。もう少しで到着するわよ。ほら、フジヤマが見えてきた」
「違うっす。あれ普通のサイタマの山っす」
 
などと会話してるかもしれない。しかし僕は英語の授業を抜け出して「とにかくもう学校や家には、帰りたくないー」と叫んでいた15の昼を過ごしていたし、看護学校の頃も、看護英語なんていう無茶苦茶な授業があったけれど、やはり抜け出して、自分で買ったバイクで走り出す。行く先もわかりつつ自分のアパートへ戻り、彼女とセックスばかりしていたのでほんと英語わかんない。だから僕の前に座っている外人のガキが言っていることも全然理解できない26の初夏。

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