2003年03月22日(土)  堕落論。
今回、5日間の東京生活のうち2日間は通信大学のスクーリングという誠に不毛な時間に拘束されているのだが、それも今日でおしまい。勉強おしまい。試験サヨナラ。次回のスクーリングは4月か、5月。どっちでもいいや。どっちも行かないや。僕は自由を手に入れたのだ。看護主任という座を捨て、厭世感の名の元に自由という翼を手に入れたのだ。カラスかっつの。それにしても講義はきつい。いや、僕が通っている学科は、おおまかに福祉と心理学。もう心理学系の講義は水を得た魚のようにペラペラと口からデタラメですよ。周囲の人からも、わぁ、スゴイ。なんて言われて天狗になっているわけですよ。実際、8年も精神科に勤めているだけあって、いくら口からデタラメ言ってもそれはそれでまぁ、真実っぽいように感じるんですよ。ね。だからそういう講義は余裕なんです。余裕のヨシコちゃんというか余裕のヨシミくんですよ。僕の本名ですよ。
 
さてしかし、今回の2日間は福祉系の講義。僕は興味のないものに対しては微塵も関心を示さないたちですので、最初からやる気なし。隣に座っていた金髪の女性の言葉を借りるならばやる気ナッシングでございます。やる気ナッシン! 講義は朝9時から始まるんですよ。初日、起床、8時40分。やる気ナッシン! 2日目、起床、8時50分。やる気ナッシン! まぁ、ホテルから走って10分ばかりの距離なんですが、なにしろ福祉系の講義なので走る気力も起こらない。悠々とファミリーマートに寄ってカロリーメイトと、缶コーヒー。「しゃーせーん。遅れっしたー」なんて悠長に登場。髭も剃らずに。教科書も持たずに。「キミ、テキストはどうしたんだ」「忘れました」「どこに」「鹿児島に」などと呑気に郷土ギャグ。教室内の笑いを一通り誘ったら講義を抜け出し煙草タイム。
 
「ったくやってらんないっスね」なんて馴れ馴れしく話し掛けてきた短髪の男と、学校入口の階段に座ってしばし対談。
「鹿児島っスか!? スゲェ! 常夏っすか?」
「いや、まだ普通に寒いよ」
「うちもまだ寒いっスよ」
「え、どっから来たの?」
「北海道っス」
「僕たち南北じゃん」
「俺たち南北っスね」
などと意味のわからない会話を延々と始める。
「鹿児島も雪とか降るんスか」
「当たり前だよ。ジンギスカンも食えるよ」
「えっ、マジっスか」
「いや、よくわからないけど」
「俺、鹿児島行ったことあるんスよ。阿蘇山とか」
「それ熊本だから。僕も修学旅行で北海道行ったことあるよ。ナマハゲとか」
「それ岩手だから」
教室では未来の福祉についてのディスカッションが始まっているというのに、僕たち南北育ちは東京の冷たいビルディングの階段に座りながら誠に不毛な会話をしているのであります。
 
それにしても東京は寒い。1月に名古屋に行ったときも寒かったけど、3月の東京も寒い。昨日は暖かかったんだけどなぁ。昨日は小春日和で、昼休みに近くの公園でクラスで適当に仲の良くなった人達と適当な話をしながらブランコに乗ってコンビニのお弁当を食べました。そのなかの一人にツヨシという、結構スクーリングの日程が僕と重なる湘南育ちの男がいるんだけど、そいつなんて昼間から公園でビール飲んでました。やっぱスクーリングはビールっスよね。なんてどう考えてもやっぱスクーリングじゃないことを言ってました。ちなみにそのツヨシは、午後2時くらいに「ちょっとウンコ行って来るっス」なんてわざわざ僕の席のそばまで来て排便の意思がある旨を僕に伝えて教室を出て行って、講義が終わる5時になっても帰ってきませんでした。今もまだトイレに座っているのかもしれないね。
 
というわけでスクーリングは今日でおしまい。実に下らない講義でした。ずっと小説読んでました。2日間で2冊読みました。講義中に「本、好きなんですね」と隣に座っている金髪の女性が話し掛けてきたので「いや、ほら、見て、あの左から2列目の前から3番目のコ。僕はあのコの方が好きなんだ」と出鱈目を言ったら「わぁ。あれ私の友達なんですぅ!」なんてやけに舞い上がってしまってその次の休憩時間には「ハジメマシテー! よろしくねー!」なんてやけにハイテンションな女性が話し掛けてきたなと思っていたら、そのコは左から2列目の前から3番目のコで、僕はあの時は適当に言っただけで、後ろ姿しか見てなかったわけで、顔も知らなかったわけで、別に、そんな、本心から好きだって言ったわけじゃないし、困ったな。と思ったけど、なかなか話が合っちゃって、話が合ったというのは、そのコもプロレスファンだということで、東京でプロレスファンに! しかも女性の! なんて僕も感動しちゃって、7時に待ち合わせして、僕の隣の金髪のコと、左から2列目の前から3番目のコと、本当はウンコから帰ってきていたツヨシと、ご飯食べて、カラオケに行きました。
 
そして現在午後11時。普通に帰宅。いや、何かイヤらしいことを期待していたわけではなく。プロレスファンのコと、ベッドでコブラツイストだなんて、そんな。

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