![]()
| 2003年02月17日(月) 新人指導。 |
| 「おはようござぁぁ」「あ、おはようごぁぁ」「お、おはよぁぁ」なんていつもの如くテンション低めの挨拶を看護婦さんと交わしていると「おはようございますっ!」と目の前に現れたのは卸したばかりの新品の白衣を身にまとった新人さん。あ、今日から新人さん来る日だったっけ。あー。もー辞めちゃうしなー。新人さんとか来ちゃっても血湧き肉踊らないよー。おはようごぁぁ。 婦長さんが新人さんに僕を紹介する。 「紹介しますね。うちの病院の秘蔵っ子、ヨシミさんです。」 秘蔵っ子て。あんまり意味わかんないし。 「ヨシミです。よろしくおねがいしまぁぁ」 あー。辞めちゃうし。今さらカッコつけたってしょうがないし。髭だって適当に剃ったし、髪だってちゃんとセットしてないし白衣の上から3番目のボタン取れたまんまだし。あー。ねむー。 「ちなみにヨシミさんはあなたの指導係です」 えぇー。聞いてないよー。うん。聞いたような気がする。聞いたような気がするけどやる気が出ないような気がする。辞めちゃうし。あー。辞めるって逃げ道、すげぇ楽だなぁ。 というわけで新人さん。新人さんといっても僕と同じ年で、なかなか綺麗なお姉さま。よし! まずはメアド交換から! 「あんまりふざけると辞める前にクビにしますよ」 冗談ですよ婦長さん。やだなぁ。冗談。頑張りますよ。僕はこう見えても看護指導に関しては結構厳しいんだから! 会議室でミーティング。まずはこの病院の概要を説明します。えっと、手元の資料、読んでてね。僕は、ちょっと、トイレ。すっぱー。 「こら! ミーティング中じゃないの!」 喫煙所でタバコを吸ってるところを婦長さんに目撃される。体育館裏の高校生並みにビビる。そそくさと会議室へ。 コホン。失礼。待たせたね。おしっこが、いっぱい出ました。資料、読んでくれましたか。僕は読んでません。なんて。ハハハ。えとね、うちは内科と、精神科なのね。内科もあって精神科もあるってことは心療内科的要素も含んでるわけね。心身症。僕は4月で仕事を辞めてその先のことを考えると胃がチクチク痛んでときどき下痢したりするんです。ね。こういうのが心身症。だからこの場合、下痢止め飲んでも治んないわけ。病の元は下痢じゃないわけ。「4月で仕事を辞める26歳独身男性の将来への不安に付随するストレス」これですね。これをどうにかしなくちゃいけない。うちの病院ははこういうのをどうにかするところなんです。 「すっごくわかりやすいです!」 えぇー。うそー。わかりやすいですか? そうですか。僕はどうも人に指導するってのが苦手でね。冗談ばっかり言ってしまうんです。ゴメンなさいね。それなりに、必死なんだけど、ちゃんとするときはちゃんとするから、こうやって2人きりで会議室でミーティングなんて不毛だと思わない? ね。会議室を1歩出ると怖い看護婦さんなんていっぱいいるわけだから、こんなときぐらい世間話でもしてゆっくりしましょう。 という新人さんの逃げ道を作るという指導法。 |
| 翌日 / 目次 / 先日 |