2003年01月22日(水)  蟻の悲鳴。
蟻の悲鳴のようなホテルの目覚まし音。午前5時30分。人影まばらな駅の構内。前を歩く女性2人。ぷりさんと人ジェコさん。やや後ろからおぼつかない足取りで歩く僕。シャッターが閉じたキオスク。公衆電話に向かって怒鳴っているオヤジ。止まったエレベーターを往復するメガネのオバサン。柱に隠れるようにキスをしているカップル。もうしわけございません、そのようなことは駅の構外で、もしくは万人の理解力の範疇でしていただけませんでしょうか。通路にはダンボール。階段にはホームレス。午前5時30分。世の中はまだ正常に機能していない早朝5時30分。
 
「またね」
 
ぷりさんと人ジェコさんを見送った僕はとうとう1人になる。喫茶店に入りタバコを取り出しゴホゴホゲフゲフ。喉頭痛。僕はどうやら風邪をひいてしまいました。いや、アルコールだ。アルコールで喉の粘膜とかノドちんこの陰茎の部分が溶けてしまったんだ。ゴホゴホゲフゲフ。昨日は、楽しかったなア。さて、今日は、何しよう。
 
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>さて、今日は、何しましょう?
前回、大学のスクーリングで名古屋に来たときに、同じグループだった女性。わぁ、久し振りぃ、なんて言ってみたけど、前回からまだ3ヶ月しか経っていない。
「さぁ、どこ行きましょう」
「うん。どこでもいいよ」
もっと僕は、こう、なんていうか、旅情とか、1人旅のセンチメンタリズムとか、そういう、若干、ストーリー性のあることを言えばいいのに、実際の話、本当に僕はどこに行ってもいいんだけど、それじゃあ、ねぇ、それだったとしても、それなりに僕は名古屋まで来たんだから! 名古屋でしか経験できないことを! よし! 言ってみよう。たまには僕からこれからの行動を誘導するんだ!
 
「まず、ご飯食べに行こう」
「何食べる?」
「パスタ」
 
名古屋でパスタなんて聞いたことないよ! パスタを食べてお話をしたら夜になりました。
 
とあるフードバー。湯葉をつつきながら焼酎を飲む。鹿児島でも焼酎、名古屋でも焼酎。
1つの店で5時間半も話続けて、その間、7回も小便に行って、あの段差が、トイレの前の小さな段差が、どうもいけない。酔うと学習能力が著しく損なわれるから、7回トイレに行って7回足を引っ掛けて7回店員に笑われる。店の照明が暗いから、僕は何度もつまずく羽目になるんだ。
 
「申し訳ございません」
 
店員が笑いをこらえきれない表情で謝る。何も謝ることはない、この床の小さな段差がいけないんだ。お姉ちゃんは何もしてないから謝らなくていいよ。ていうか頭ん中では「こいつバカ?」とか思ってるんでしょ。失礼な。バカじゃないよ僕は。ただ少し酔っているだけだよ。謝んな。ヒック。
 
今回は、彼女の終電の時間に間に合うようにお酒を飲みました。
 
それから夜の名古屋を徘徊。深夜1時の千鳥足。駅の構内の柱の陰でまたカップルがキスをしている。
あー、キスしたいなー。うへー。キスっていいよなー。たまんねぇよなー。
なにしろ酔っているので、そういう目でカップルの横を通り過ぎる。さて、どこ行こう。hrbysさんから電話。
 
「今日どこ泊まるんですか?」
「いや、わかんない」
 
本当にいい加減な1人旅。

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