2003年01月13日(月)  愛する人の生理痛。
何にしても共感するということは、その対象となるものを、現に体験しなければ、
真の共感など得ることができない。
 
だから僕は生理痛が何たるかを理解することができない。
痛みの程度とか苦しみとかそれに付随する精神的な影響とか、まったくさっぱり。
対岸の火事というか、もはや他国の火事。
 
「痛いのっ!!」
 
ある女性からの電話。生理痛が痛くてたまらないらしい。
我慢できないほど痛いのならば、わざわざ電話することないじゃないかと思うけど、
そこは男にはわからない独特の女性心理が隠れていると思う。
 
「薬飲んだ?」
「飲んだのっ!」
「お大事にね」
「冷たいっ!」
 
僕だっていい加減なことは言いたくないのだ。
わぁ、生理痛かぁ、たまんないねぇ、キミも右下腹部が痛くなるたち? 僕のお母さんもそうなんだ。
お母さんはね、生理痛がひどいと晩ご飯だって作ってくれないんだ。たまんないよね。
なんて知ったか振りする方が余程冷たいと思う。
 
だから男は生理痛で苦しむ女性には言葉少なめに「薬飲んだ?」「お大事にね」と言えばいいのである。
どこが痛いの? どれくらい続いてるの? いつもより酷いの? なんて言及したらいけない。
言及すればするほど「どうせアンタにはわかんないわよ!」なんて斬る捨てられるのがオチである。
 
その女性は「もう、いい、キライ」と言って電話を切って、3時間後にまた携帯が鳴った。
 
「痛いのっ!」
生理痛は単純計算して3時間以上も続いているということになる。憐れだ。
僕はこの3時間の間に晩ご飯を食べて鼻唄混じりにシャワーを浴びてリビングのテーブルの上に足を放り出して小説を読んでいた。
彼女はこの3時間、悶々と「アンタにはわからない」痛みに耐えていたのだ。憐れだ。
 
「そろそろ薬効いてくる頃でしょ」
「効かないのっ!」
「じゃあしばらく安静にするといいよ」
「冷たいっ!」
 
僕が愛してやまないこの女性は、愛してやまないのにどう対応していいのかわからない。
生理痛に執着するからいけないんだ。こういう時は話題の転換。
 
「好きだよ」
「うるさいっ!」
 
……。

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