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仮装で踊ろう


ヨシタロウの通っている幼稚園で
「仮装で踊ろう」という催し物が夏休みにある

子供達が仮装して園庭でフォークダンスを踊るのだ

何年か前はフォークダンスのあと
キャンプファイアーをやっていたらしいが
今は出来なくなったらしい

それはとても残念だ
キャンプファイアー
是非とも復活して欲しい・・

今年ヨシタロウはスパイダーマンになった
本人がそれを望んでいた

家を出た時からスパイダーマンの格好をして
藤原さんと手をつないで幼稚園に向かった

オレはシュウヘイと一緒にヨシタロウ達の結構うしろを歩いて
ビデオカメラ片手にヨシタロウが幼稚園まで歩く後ろ姿を撮った

ヨシタロウとすれ違ったカップルが
すれ違ったあと「スパイダーマンがいたよ〜」って楽しそうに
話しながら歩いているのが聞こえた

車に乗っている人たちは
ほとんどの人が歩道を歩くスパイダーマンに目を向け
同乗者と一緒に何かしゃべったり、指を指したりしていた
それを見ていてとても楽しかった

ヨシタロウは胸を張って歩いていた

幼稚園が近づくにつれ

白雪姫が現れ
怪物君が現れ
独眼竜正宗が現れ
ドラえもんが現れ
ポケモンが現れ
仮面ライダーが現れ
シャチが現れ
カーボーイが現れ
悟空が現れ
カブトムシが現れ
ナウシカが現れ
ピーターパンが現れ

幼稚園に向かう道が
仮装の道になり
手をつないでいるお母さん達も
とても楽しそうで
心が踊る景色だった

街中が毎日
仮装で踊ろうの日だったらどんなに
楽しい景色だろうな

スーパーでもコンビニでも
みんな仮装して

車の色も色んな色の車が走っている街で
家も色んな色の家があって
バイクもみんな自分達でペイントしたバイクが街中を走っていたら
どんなに楽しいだろう

夜になり
フォークダンスでスパイダーマンが
ジンギスカンを踊っている姿は一種独特な光景だったが
夢の中に居るような光景だった




日常を見渡せば
みんな同じような服装やものばかりだ

どっちが現実で
どっちが夢なのか

オレはしばし
夢とうつつを入れ替えた



夜もふけ家に帰り
仮装に刺激を受けたシュウヘイも
仮装したいと言って泣いていたら
ヨシタロウがシュウヘイに
仮面ライーダーの服とお面を創ってくれた

折り紙とセロテープをつぎはぎして
ヨシタロウがシュウヘイに創ってくれた
仮面ライダー




(うん、きっとこれは仮面ライダーだよ。ヨシタロウ。)

ヨシタロウ、オマエ
シュウヘイのために創ってくれたんだな。
優しいな。ありががとう。
なんて思った。
(親バカ)




ちなみに去年は
ヨシタロウは
忍者だった





来年は何になりたいというのだろうか

来年はシュウヘイも幼稚園だ

時が経つのが早い

残酷と思える程、早い

それだけオレも藤原さんも年を取っているのだ

自覚はないが

子供達の物凄いエネルギッシュな成長を見ていると

36歳のオレは

精神的にはまだまだ全然これからなのだが

何かこう

何とも言えない

「死」というもの

それは自分の事であったり
親の事であったり
友達だったり

あまりにも漠然としているが

頭をかすめる時がある

「人は死ぬんだ」

なぜだろう

仮装で踊ろうの日

そんな事

突然
頭を釘打ちされた日だった



2010年08月21日(土)

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