ほり日和 もくじ|昨日|明日
俺は基本的に浮浪者と呼ばれる人種がとても嫌いだ。 同じ人間なのであまりキツく言えないが、 常にあれらの方々を何とかしてほしいと思っています。 「明日はわが身」 とも思えてしまう現代日本。確かに将来に不安を感じることは 多々ありますが、でも、ああはなりたくないのが、今の俺の本音。 そんななか…本日…、 事件発生ッ 今日、仕事で愛知県庁の裏を自転車で走っていた時のこと。 数日前、車が故障し修理中なので、いつもならここまで車で来るんだが 自転車できたのですよ。 三の丸病院から県庁の裏道を通り、国税局へ向かうとき、背後から 「すいません」 と呼び止められた。職業上、道をよく聞かれることがある。 この時も、きっと道を尋ねたい人が呼んだんだと思った。 背後から話し掛けられたので、本人を確認するため振り向くと そこにいたのは…… 汚い人 や、これ正直な第一印象。ちゅうか100人が100人同じ印象を 受けると思われること請け合い。僕は「しまった」と思った。 いや、でも人を見た目で判断してはいけない。本当にただ 道を尋ねたいだけの浮浪者かも知れない。 俺はそこは配達の仕事をする人として、プロとして笑顔で応対した。 以下その後の会話… 俺「はい?」 男「あのぉ〜ちょっとすいません。実は私、岐阜の郡上からやって来まして… ゴニョゴニョゴニョゴニョ・・・・・(ここから声が果てしなく小さくなる)」 突然、最初呼び止めたときとは全然違うトーンでゴニョゴニョ言い出す。 あまりによく聞こえないので、 「すいません。もっと大きい声でお願いします。」 と怒気を荒げて言った。 男「すいません。実は、私は、岐阜県の郡上市からやってきまして…」 いきなり男は身の上話をはじめる。その時、どうやら僕の体の中にいる なんだか偽者じみた「エセ波田陽区」が暴れ出した!! 「あなたが郡上だかどこから来ようが、ワタクシ関係ありませんからァ〜!!」 残念ッ!! ただまだこの時点で、「道に迷った」人の可能性は残っていた。 続けて男は話す。 男「…土木の仕事を探してここまできたんですがすべてに断られまして…」 また、エセが俺の中心で叫ぶ!! 「そんな格好してれば相手が仮に僕でもお断りしますからァ〜!!」 残念ッ!! このあたりで話が怪しくなってきた。 その後、またゴニョゴニョ言い出す。 声が小さいので耳を近づけたいが、あまりに汚いので近づきたくない。 最終的に聞こえたのは… 男「この近くに吉野家があるんですけどそこで牛丼を食べたいんですね」 またまた!俺の体の中の波田陽区が大声で叫んだ!! 「ここの近くに吉野家ありませんからァ〜!!」 「しかも、今、吉野家には牛丼売っていませんからァ〜!!! 残念ッ!! 要するにこの男、やっぱり浮浪者であり、ハッキリ言葉では言っていないが 「金を恵んでくれ」 と言っている訳だ。この時点で俺は先の話が読めたので、 俺「ああ〜それはダメですね〜」 と、丁寧な受け応えで強くお断りした。 よりにもよって浮浪者にかつあげされそうになるとは…。 しかしなに考えてるんだ。恵むワケなかろう。図々しいにも程がある。 よく知った仲の良い友人ならいざ知らず、まったく赤の他人で しかも社会不適合者に大事なお金をあげるものか?! 今貴様らに金をやる余裕があるなら、新潟に送るよ、ホント。 馬鹿なんじゃないのか?! きっとああやって色んな人に断られてるんだろうな。 ああ〜嫌だ嫌だ。ああはなりたくない。ホントなりたくない。 その浮浪者、俺がダメだと言ったら、「あっ、だめですかぁ〜」 と言っていた。イヤ、だめだろッ普通!! 帰り際、その浮浪者の匂いが移り香してないか、死ぬほど心配だったが そんな中、俺の体の中にいる小さいエセ波田陽区が僕の気持ちを 代弁してこう叫んだ。 「こう見えてもワタクシが、お金恵んで貰いたいくらい貧乏ですからァ〜!!」 切腹ッ!!
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