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辿っているのかも知れない。 現在世界にはゆうに100種を超える絶滅危惧の動物がいる。 実際絶滅してしまった動物もわかっているだけでもかなり多く、 そのほとんどの原因が、乱獲・密漁・農薬被害による餌の減少と言った 我々、人間の手によるものだ。 本日10月10日を持って、純粋日本血統であるトキが絶滅した。 佐渡にある「佐渡トキ保護センター」で純粋日本血統のトキである "キン"が今朝方、死んでいるのが見つかったのだ。 原因はケージに頭部を打ちつけたことによる頭部挫傷らしい。 トキは1995年にオスの"ミドリ"が死亡した事により、 当時よりもう絶滅することが決まっていた。 日本産では今回のメスのキンと先に死亡したミドリが最後の2羽で 1995年以前よりこの2羽による種の存続が行われていたが どれも失敗に終わり、ミドリが死亡したことにより、日本産トキの 絶滅が決定したのである。 キンはその後、中国産のトキと配合し、現在佐渡トキ保護センターには 日本産と中国産のいわばハーフのトキが39羽生息している。 キンは、生まれてすぐの頃、迷い込んだ田んぼで 当時トキ保護観察員であった故・宇治金太郎氏に餌付けされていた。 その翌年、保護のために同センターに収容され、以来約36年 同センターで飼育されてきた。キンは、トキの生存期間で 世界最長を記録。推定年齢は36歳で 人間ならゆうに100歳を超える長寿である。 "キン"という名は先の故・宇治金太郎氏にちなんでつけられた。 人間であれば、大往生。お疲れ様、キン。 チト説教くさくなるかもしれない。 しかも重い話になるかもしれない。ご了承ください。 キンの今回の死亡は事故かもしれない。 例えば、ウチにいた犬だって2年前に死んだ。それはそれで悲しかった。 でもトキは絶滅である。かと言って生物の命個々に格差をつけるつもりはない。 命は命。取って代わるものなどありえず、それは人間でも同じ。 ただ、種の滅亡という意味で捉えれば、これは大きな問題である。 「終わりは始まりの始まり」。 しかし種の滅亡は「永遠の終わり」を意味する。 何もないところからは、決して生命は生まれないから。 そして今回の絶滅に至ることとなった直接の原因は、我々人間にある。 これはただの例え話じゃない。 我々人間には進化の過程で培ってきた類まれなる叡智と それを駆使して生み出した、文化・産業、そしてそれを コントロールする力を持っている。 しかし考え方一つで、それを「終わり」に向ける力にもなりうる。 そしてそれは、個人の想いだけでどうにかなってしまうものだ。 ところが回復しようと思うと、これは個人の想いだけでは、 どうしようもないくらい微力である。 人間の総意が「救い」の方向に向かない限りは。 絶滅動物たちは、時が進むごとに増えている。 またその大きな危険に気づいた人々が、動き始めている。 失った信用を取り戻すのが難しいように、 失った自然を元に戻すのに時間がかかるように、 底を尽いた油田・資源が元に戻るのに数万年かかるように、 絶滅に瀕した動物たちをどこまで守りきれるか難しいところだけど、 過去の過ちに気づき、例え世代を超えてでも元に戻そうという 頑なな強い意志を受け継いでいけば、未来は守れるかもしれない。 環境問題は誰かが実行すれば解決することではない。 それに向けていく人がいればその反対の人もいてしまうのが 悲しいかな、現実だ。 だけど僕は思う。 失わせる力があるなら、その反対だってできるはずだと思う。 何かを始めるのに遅いと言うことはない。 無駄だと足掻く事を諦めるよりも、 むしろ無駄にがむしゃらに動き始めることが先決であると思う。 そして訪れた未来は結果論である。 キンの死と、トキの絶滅は、 僕ら人間に対する聞き逃してはならない警鐘だと思うのだ。
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