ほり日和  
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2003年10月09日(木) その男、偽者につき。

昨日と打って変わり、

今日俺はなかなか見れないものを見たッ!

仕事で名古屋市の高等検察庁にほぼ毎日行くのだけど、

今日ここに一人の検事が現れたそうな。

検察庁はとっても出入り関係者に厳しいチェックを課す。

出入り業者はもちろん、弁護士だろうが検事だろうが、

入り口で警備員がチェックするのだ。

当然、その検察庁に勤める人は警備員も顔を覚えてるので

フリーに出入りするけども、例えば外部の検事・弁護士は

チェックされるようだ。



今日いつものように、メール便配達のため検察庁に訪れた僕は、

1階の警備員チェックで記帳しているところだった。

そしたら1階奥のロビーから突然怒声が…。

見ると、3人の中年男性がもめている。

警備員に慌てた様子はないので、了解のうちの揉め事なんだろう。

僕は最初、何かに失敗した部下が上司に頭ごなしに叱られてるのかと

思っていた。しかし、その怒り様たら激しいの一言。

よっぽどおおヘマをしたに違いないと思った。

会話はうまく聞き取れなくて、それでもたまにはっきり聞こえるワードがあった。

「お前、それで検事かッ!?」

なるほど。検事らしからぬ失敗をし、一市民に迷惑かけたんだな。

俺はそう思った。

あんまりジロジロ見るのも悪いと思い、僕は僕の仕事をするため

エレベーターに乗り込もうとした、まさにその時ッ!

僕の出した結論は翻り、思ってた以上の結末が待っていた。



怒鳴っている人「お前名前言ってみろッ!!」

「お前…




ニセ検事だろうがッ!!」




ホワッツ??ニセ検事っ?!何だそれはっ!

どうやら、話を要約すると検事に扮して検察庁に男が侵入した模様。

きっと警備員が怪しいと思ったのか、どういう経緯なのかは

定かにならなかったけど、とにかく怒られていた人は「ニセ検事」らしい。

エレベーターに乗り込んだときだったので、その後、

そのやり取りがどうなったのかわからない。降りてきた時には

もう3人ともいなかった。

兎にも角にも、俺が笑ったのはニセ検事の存在よりも、

「ニセ検事」と言うワードを使った怒っていた人である。

「お前ニセ検事だろうがッ!」こんなせりふ、今日び漫画にだって

出てこないぜ(笑)。それに普通言わないだろう。

「お前検事のフリしとるんやろ!」とかの方がまだ自然な気がする。

その人断言してたしね、「ニセ検事」って。

面白かった。あの後あの人どうなったんだろう?というかこれは何罪?

帰り際、警備員に先程の揉め事は何か聞いたら、

内容ではなく、こんな答えが返ってきた。

警備員「ああ〜、あんなの日常茶飯事だよ。」

マジかよっ!?日常茶飯事!?俺はじめてみるんですけど。

って言うか、「よくあること」ならまだしも、日常茶飯事って

ほぼ毎日ってことですぜ!面白いなぁ〜今日は。警備員もおかしい。



役者として、僕らはつまりは彼の人の偽者を演じるわけだが、

身近でこんなリアルな偽者珍事が見られるとは思わなかった。

「事実は小説より奇なり」

リアルほど面白いものはない。


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