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年金改革法案も問題ですが、改正著作権法が可決 - 2004年06月05日(土)

6月3日に「改正著作権法の改正案」が原案通り可決しました。
この法律の基本的なところを言うと、
日本盤CDが出ている音源については、
日本盤が出て7年間は輸入盤を輸入できない、
販売できないようにしよう、というもの。
アジア産の安価なJ−POP輸入CDが国内の流通を乱しているから、
というのがその理由です。
ところがこの法律は拡大解釈できる余地が多分にあり、
欧米のアーティストの輸入盤CDが、
国内流通できなくなる可能性があるわけです。
もちろんお偉いさんたちは「そんなことはない」の一点張りですが、
そんなもんが信用できるか、と。
キャバ嬢のほうがまだ信用できます。

この件に関する基本的なサイトはコチラ。
「私たちは海外盤CD輸入制限に反対しつづける」
http://sound.jp/stop-rev-crlaw/

この件に関して詳細に経緯がわかるのがこちら。
「memory lab」
この問題で戦ってこられた高橋健太郎氏のコラムをチェックしてください。
http://www.ceres.dti.ne.jp/~donidoni/memorylab/

また事を理解するにはこちらが一番わかりやすいと思います。
「スタジオポット 松沢呉一が書く黒子の部屋」
松沢氏が著作権について実にわかりやすく解説されています。
ここの725〜をチェックしてみてください。
http://www.pot.co.jp/matsukuro/index.html

来年の1月からこの改正案は施行されます。
すぐに事態が進行するとは思えませんが、
それは徐々に姿を表していくと思われます。
その間、さまざまな修正案が上がるかもしれませんが、
根本的な何も変わらないんだろうな、と思われます。

これは僕のような音楽マニアだけの問題ではありません。
たとえばアナタが駅前にある大きなCD屋さんに行くとします。
アヴィリル・ラヴィーンの新作と、
ジャネット・ジャクソンの新作を買おうとしたら、
そこには国内盤しかなく、2枚で約6000円もします。
ところが財布を開いてみると4000円しかありません。
あなたは1枚のCDを選ぶことを余儀なくされるのです。
そのぶん感動を味わうことは不可能になります。
これはまさに合法的な音楽の鎖国状態です。

同じような事態は、
ミュージシャンを目指す若者にも起こります。
大抵の若いミュージシャンはお金がありません。
貧乏です。普段の生活はもちろん、
楽器代やスタジオ代もかかるので当然です。
彼らは限られたCDを聴き、その中から自分のスタイルを選び、
世の中に発することになります。
それは成熟した音楽が少なくなる、といった意味でもあります。

さらに我々に直結した問題として年金問題もあります。
10年後、我々は月3万数千円の年金を払うことになります。
こんなんじゃCDなんて買えません。

こんな状態が何世代も繰り返されるとどうなるでしょう?
紛れもなく音楽文化の衰退に繋がります。

文化庁や日本レコード協会らは、今回の法律について、
音楽文化を守るため云々といった発言をしていますが、
それがまったくの方便であることは間違いありません。
年金問題がウソだらけ・欺瞞だらけのまま進行しているのと、
まったく同じです。

だけど僕らは非力なわけではありません。
我々が消費しなければ、レコード業界は、そして国は困るのです。
だったら国内盤CDなんか買わなければいいのです。
もちろん、日本のアーティストのCDは国内盤で買うのが妥当でしょう。
大好きな海外アーティストの場合は、
解説や対訳が読みたい場合もあるでしょうから、
国内盤を買うことは問題ないと思います。
しかし僕は、なんとなく聴いてみたい、ちょっといいかもしんない、
というレベルのCDは輸入盤で買います。
国内盤なんか絶対に買いません。
(というか今までもそうしてきたんだけどね)

音楽というのは国や一部の利権団体のものではない。
あくまで我々消費者の乗り物であることを、
ほんの少しでも教えてやりたいのです。


...




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