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2005年02月01日(火)

日常

昨日は久しぶりに高校からの友人に会いにいってきた。
彼女の最寄駅で11時に待ち合わせをして、子供達が帰ってくる14時までの3時間ほど。
もしかしたら最後に会ったのは高校の同級生数人で行った厄払いの時だったかも。
せっかく厄払いしたのに、我父上が亡くなった年という事だ。
そして今年は30代2回目の後厄だ。

近況と言っても私に変わりは無く。
だけど、それなりに話す事はあって。
時間があっという間に過ぎていって、残り1時間を切ったところで彼女が言った。
周りの同級生の親が、ここ数年で亡くなっているのだそうだ。
そして、彼女のお父さんも検査結果次第では良い状況では無いと。

「そんな歳なんだよね」

と彼女が言うとおり。多分、私たちはそういう歳なんだろう。
私も毎回、不幸がある度に「そんな歳だってことだよ」と同じ言葉を返してきた。
母上にも、他の人にも。
慰めとか励ましとか。こういう場面で出すべき言葉は選ぶのが難しい。
そういう類の言葉の中から、言い方は悪いが無難に引っ張り出せるのが「そんな歳なんだ」だと思う。
運・不運だとかじゃなく、生きていれば何れは何処かで経験する事で。
そんな年齢になったんだなって思うしか無いんじゃないかなと。

友達と会った後に母上に会う用事があったので、友達の話をした。
「厄って周りに行くって言うじゃん?だから父親にいっちゃった気がする」って友達が言うんだよね。私も厄の時だったしと話した。
母上は、「お父さんは、その何年も前からだったんだから関係無いわよ。気にすることない。」と答えた。
そう言われればそうなんだけど。
多分、厄のせいだという事にしたら少しは楽なのかもしれないし。

病気であるということは本人の健康とか今での生活とかの問題なのに。
どんなにお酒を飲む父親だろうが、病気になって当然なんて考えは出て来ない。
後になって、そりゃそうだと思える日も来るけど。
取り合えずは自分から原因を探すから不思議だ。
何か身内を失わなきゃいけないような、そんな悪い事をして天罰でも食らったかとでも言う感じ。

彼女のお母さんは看護士さんで、少なくとも私の母上よりは頼りになる人だ。
ただ、本人であるお父さんにも他の兄弟にも何も言ってないと言う。
彼女だけが母親から聞かされてるのだそうだ。
「お父さん、本当は物凄く怖がってると思うんだよね」
という彼女の話に、私は父上をダブらせる。
「だけど、突然頻繁に会いに行ったり電話したりしたら勘ぐるだろうし。それも出来ないんだよね。いつも通りにしてないと。」
という彼女の言葉に、あの時の自分をダブらせる。
少し環境は違うけれど、私と彼女の病気になった父親に対する考え方は同じなのだと思った。

いかに何でも無い事のようにするか。そればかり考えてた。
というか、考えるより前に勝手に口から「何言ってんだよ」状態の言葉が出ていた。
多分、私も怖かったからだろうけど。
最後の一週間。
意識が無いとされてた一週間の間も、普段と何も変わらない状態を作りたかった。
今までと同じ日常が、ただ病院にいるってだけで続いてるんだと。
夜になると見舞いに私が来る。そしてベッドの側で必ず何かを食べている。
それが日常だったから、親戚が集まろうがそうしてた。

怖がってる人に、貴方は危険な状態なんですよ。なんて知らせたく無かった。

父上の母親である祖母が危ないらしいと聞いたのは3-4日前。
咄嗟に「見舞いに行こうかな」と口をついて出た。
そして、老人ホームにショートステイで入っているので母上と叔母ちゃんが見舞いに行くと聞いたのが昨日。
当然のように「私も一緒に行く」と言った。

誰かが入院したら見舞いに行く。
それがすっかり身に付いてしまったから、何も考えずに言ったんだけど。

今年97歳で、父上に「早く迎えにきておくれ」なんて言ってた祖母だけど。
事故で大腿骨骨折をして外に一人で出られなくなって、「生きていてもつまんね」と父上の三回忌の時に言ってた祖母だけど。
あれから2年ちょっと会って無くて、その間にボケてしまったらしい祖母だけど。
でも、やっぱり怖いんじゃないかと思う。

だから、普段から行き来をしていない私という孫が見舞いに行く事が、どういう事なのか。
祖母にとって非日常的だという事を、私の存在が表してしまうんじゃないのか。
私は何の為に行くのか。
危ないと言われる状況だから、会えるのが最後かもしれないから、だから会いに行くのか。
それって、私の自己満足でしか無いんじゃないのか。

考えてしまうと、行ってはいけない気がしてくるけど。
でも、咄嗟に見舞いに行こうと思った自分の気持ちを素直に持っていくしかないのかな。

っていうか。
母上と叔母ちゃんは見舞の帰りに、前から約束してた食事&海辺に沸いたという温泉に行く予定らしいので。
嫁の立場の母上と祖母の娘である叔母ちゃんが、物凄く日常状態なんだから良いのか。
そこに、たまたま暇だった私がくっついてくと。
そんな言い訳をしつつ、明日行ってこようと思う。