アクセス解析 あるひうがちな御人好し
初日 最新 目次 MAIL


あるひうがちな御人好し
あるひ
MAIL

2004年 桜とか
2005年 桜とか
ハロウィン@TDL
作品
HP
BBS

2003年01月08日(水)

お義母さん

背中痛は、今だ続く・・・いや、ちっとはいいかも。

原因に心当たりが一つ。
私は、案外デリケートな内臓を持っていて、正月休みをヤツの家で過ごした為に、快腸では無かったのだ。
自分の家以外で、用をたせないというのは、子供の頃から変っていない。
よって。腰痛。だので、腰痛体操をした。
ねっころがって膝を抱えて起き上がる。勝手に命名「だるまさん」体操をした。
その際に、背中のちょうど今痛い部分に、座椅子が当たっていた。
たったそれだけだ。

でも、思い当たる事がある。
行きつけの焼き鳥屋さんのカウンターで、酔って壁に背中を打ち付けていると、その壁に埋め込まれた横に走る一本の柱によって、私はその部分のみ。
翌朝から数日間、痛くて痛くてになるのだ。
要は、一般的にいう揉み返しっつ〜状態じゃぁあるまいか?

まぁ、いいや。
とりあえず、昨日からドラマが始まった。ドラマが唯一の楽しみだという、つまらん人生を歩んで、ちょっとの事でもみ返しになる更につまらん身体の持ち主だ。
「お義母さんと一緒」なるドラマ。
新聞には「永遠のテーマである嫁姑問題を、明るく描いた作品」とか書いてあった。

そのドラマを観る、ほんの30分ほど前。
未婚の私が無縁であるハズの「お義母さま」と関わってしまった。
っつ〜のは、お相手の母親だ。
まだ結婚してないので、実際にはヤツの母親であって、私の義母では無い。
だので、「お母様」と書くことにしよう。

このお母様は、毎年、御節を作ってくれる。
その御節の半分を、実は貰った二人とも好きじゃないという事実は隠し、食べた事にしている。
その御節の容器を洗いながら、先日お相手が言い出した。

「洗わなくていいわよ〜なんて言ってもさぁ、お前が居るのにそれは出来ないだろ」

一瞬、なに?と思ったが、取り合えず

「おや、洗わなくていいって御母さん言ってくれるんだ?優しいねぇ」

と返してみた。すると、ヤツは

「俺のお袋は優しいよ。すんげ〜、甘いもん。
 だから、俺がこんなんになったんだ

ほほー。自覚ありですか。
前からこの話は聞いているし、聞けば聞くほど、本当に甘い母親だと思っていた。
実際、前に電話で話をした時も、「これじゃぁなぁ」と納得できる母親だった。

「私が甘やかしすぎたから。本当にあるひさんにはご迷惑掛けて・・・」

これが、お母様の口癖だ。
当初、この言葉を聞いた時、正直頭にきた。
自分の息子の教育放棄してやがる。そう思ったからだ。
甘やかした自覚があるなら、今からでも突き放せ。修正しやがれっ!ってなもんだ。

私は、このお母様にお目にかかったことは無い。
っつ〜のは、ヤツ曰く。
お母様が余計な事を私に言いかねないし、過去にそれで嫌な思いをしたからだとかなんとか。
確かに、私が聞いてて腹立たしい程のことを言う。
お相手は、お母様にとっては手の掛かるっつ〜より、さじを投げたい子供らしい。
そのクセ、「優しい子なんですよ」と庇う事も忘れない。
優しさだけで食っていけたら、誰も苦労しねーってーのっ!

ライオンが崖から子供を落とすが如く、良く言えば放任主義。悪く言えば、いざとなった時には突き放す親に育てられた私とは、正反対だ。
お母様は、いざという時に手を貸しちまった。何かあった時には庇って尻拭いをしちまった。
兄弟喧嘩すら、途中でお母様がヤツにお金を渡して家から出す事で、止めていた。
おかげで、ヤツは自分だけで最後まで何かを成し遂げたという実感が一つも無い。
兄弟喧嘩すら、全て中途半端でとことんやったことがなく。
それは、ヤツのお兄さんもヤツも自覚して分かって居る事らしい。

お母様は、いわゆる御嬢様育ちだそうだ。
今は居ないが父親も大手企業の重役の息子で。家柄は良い家系から育った孫だ。
50歳まで働いた事が無かったというお母様。
世間知らずで、騙されて他人の借金を被ったドラマのようなお母様。
おかげで、60を過ぎた今でも、働かなくてはならないお母様。
多分、私の母親とは10歳以上違うと思う。
我母上は、すっかり勘違いしていたが、まだ今年で52歳なのだ。

私の母上は、御嬢様育ちでは無いが、父上が甘やかしたのでやっぱり子供のような人だ。
ついでに、お母様と母上は、同じO型。
だからかもしれないが、愚痴の内容やら言い分が、とにかく似ているから笑える。
いや、笑えない。私は我母上の愚痴には、時として神経をやられているからだ。
ついでに、家の中の掃除を毎朝徹底的にするとこもソックリだ。
何をおいても、その掃除やらに掛ける時間を割く。
それが彼女達のペースで、それは他のことにおいても、決して自分のペースを崩す事は出来ない人種だ。

ただ、この二人が決定的に違うのは。
我母上は、父上だけを頼りに尊敬し、愛して共に働いて生活してきた。子供は3の次ぐらいだ。
そして、母上は東北の出身の農家の出だ。
お母様は、子供を溺愛して専業主婦として生活してきた。父親は父親で家族とコミュニケーションをとらなかったらしい。
そして、お母様は九州のお屋敷の出だ。
ついでに、ヤツは母親と同じO型で、細かい所やら性格が非常に似ていると思われる。
私は母上とは血が繋がっていない。繋がってないどころか性格が正反対だ。

そのお母様との電話を、珍しく酔っ払いのヤツが私に代わると言い出した。
仕方なく、電話を代わり、新年の御挨拶と御節のお礼を言ってる側からお母様は言い出した。

お母様:「ごめんなさいねぇ。酔っ払ってるでしょう?」

あるひ:「ええ。まあ、今日はご機嫌が良いみたいですから」

お母様:「あるひさんが嫌がってるでしょ?って聞いたら、うんって言うのよ」

あるひ:「ああ、認めたんですか(笑)自覚症状あるんですねぇ」

お母様:「も〜、本当に。一緒に居るあるひさんの事思うとねぇ。申し訳ないわ」

あるひ:「いえいえ。」

と、ここまでは順調な滑り出しだ。毎度の事だ。謝るぐらいなら引き取ってくれ。
しかし、次の瞬間の言葉に、私は耳を疑った。
何度も書くが、お母様は御嬢様育ちだ。品の良い方と聞いている。
そのお母様が言ったのだ。


「ったく、酔っ払いやがってっ」



へ?お母様?今、舌打ちなさった?
っつ〜か、「やがって」って仰った?まじ?

耳を疑う私に構わず、何事も無かったかのようにお母様は
「今度は、御一緒にお料理でもしましょうね」
とお誘いくださったのだが・・・・・

ついつい、私も「そうですね。是非」などと答えてしまったのだが・・・

そして、そそくさと
「あんまり話してるとね、あの子また「何余計な事言ってるんだっ」て怒るから」
などとのたまうので、「あ、そうですね」と電話を切ったのだが・・・・・

電話を切ると、既に寝る体勢になって、お母様と私の電話を聞いていた酔っ払いが

「女ってぇ〜のは、まったくもって、不思議な生き物だねぇ」

などと、全く持って分かった風な訳の分からない事をほざいたのだが・・・・・



まったくもってなのは、お前の母親だっ!



いや、しかし。まさか、ヤツには言えない。

息子の愚体に舌打ちをしやがったなんてことは、言えない。

今までも電話で話しても、毎度のように
「この事は、あの子には内緒にしましょうね」
と言われてきた。それが平和を保つ為と言わんばかりに念を押されてきた。
だから、決して言えないのだーーーーーーーっっっ

↑えんぴつ投票ボタンです♪押すと言葉が変わります。